脇役の「居候高校生」役から大変身
「アンドロメダ級のイケメン」の彼に「居候ボム」と呼ばれた過去があったことを覚えている方はいるだろうか。KBS第2テレビの人気ドラマ『花より男子』でF4(花の4人組)の一人を演じたキム・ボム(19)。2年前のドラマ『思いっきりハイキック!』(MBC)では友達の家に転がり込み、居候生活をしていた人のいい高校生「ボム」が、今や多くの女性のハートを奪い、日替わりでデートする「クールなイケメン」ソ・イジョン(原作では西門総二郎)に変身した。
「ソ・イジョンは浮気者の悪い男じゃないんですよ。たった1日のデートでも、相手の女性に人生最高の幸せをプレゼントできるんだから、すごくステキでしょ?」とキム・ボムは自分が演じる役を擁護。ドラマの中の自分を見ると、「女性なら絶対にときめいてしまうような男。俳優として、とても魅力的な役」というのだから、相当な自信だ。
『花より男子』のキャスティングが発表された時、一番話題を呼んだのはアイドルグループSS501のヒョンジュン(リーダー)、その次がキム・ボムだった。彼は既に『思いっきりハイキック!』や『エデンの東』(MBC)で注目されていた。しかし、実際に『花男』がスタートしてみると、ほとんど無名の俳優だったイ・ミンホ(ク・ジュンピョ=原作では道明寺司役)がブレークし、注目をさらった。キム・ボム自身もそうした現実をしっかりと認識している。
「皆さんに言われます。“思ったより比重が小さい”って。そう言われてしまうと、何も言えません。でも、僕には大きな役とか、小さな役とかいう考え方自体があまりありません。カメラが回っていても、回っていなくても、僕が演じるソ・イジョンは『花より男子』の世界に存在する人物でしょ? それだけでも価値があるんです。現実の世界でも人は基本的にみんな平等なように、僕はドラマの配役も平等だと信じています」
『花より男子』と『エデンの東』は同じ時間帯で視聴率を争うライバルだ。ところが、キム・ボムは『エデンの東』序盤で主人公イ・ドンチョル(ソン・スンホン)の10代のころを演じ、同ドラマの人気に火を付けた張本人というから、皮肉なものだ。たった4話分の出演だったが、父親の敵への憤りや、家族に対する責任感を胸にひた走る彼の演技は他を圧倒した。
「『思いっきりハイキック!』で演じたかわいくて人がいい高校生役のイメージがすごく強くて、初めは皆さんが違和感を持つのでは…と心配しました。でも、携帯電話も鳴らず、パソコンもない所で撮影を始めたら、頭の中がクリアになって、余計な悩みは消えました」
キム・ボムは『思いっきりハイキック!』で脇役に徹した。家族関係に関する設定はなく、第100話まで主人公ミンホ(キム・ヘソン)といつも一緒にいる「友人1」だった。
「ミンホの家族に対する観察者的な役だったから、視聴者の興味を引いたようです。時間がたつにつれ、皆さんが自身を僕に重ねて見るようになったのでは?」
『花より男子』の彼も、これから変ぼうを遂げそうだ。「今はイメージ先行ですが、もうすぐシャープな俳優に変身するかも」と笑った。