「予想以上の効果でした」
サムスン電子広報チームは最近、家電ブランド「ハウゼン」のエアコンCMの「キム・ヨナ効果」に開いた口がふさがらない。サムスン電子は12日、フィギュア選手キム・ヨナのCM放送開始を記念し、ホームページで「着メロ・ダウンロード・イベント」を行った。このイベントは、キム・ヨナがCMで歌った曲を無料でダウンロードできるようにしたもの。4000人限定で無料ダウンロード・イベントを実施したところ、わずか10時間で終了した。サムスン電子は当初、4000人がダウンロードするには1カ月以上かかると予想していたという。サムスン電子は16日、再び4000人限定で2回目のイベントを実施したが、今回は5時間で終了した。サムスン電子の関係者は「わが社のCMソングに消費者がこれほど反応したのは初めて」と語った。
CMのオファーも殺到している。キム・ヨナのマネージメント会社「IBスポーツ」によると、マンション建設会社、ファッション、移動通信、製菓、飲料水メーカーなど、あらゆる業界からオファーが入っており、養豚協会や養鶏業界からもラブコールを受けているという。キム・ヨナが広告界の新たなスターになった理由は何か。
◆不景気には英雄を求める傾向
広告業界は「最近、消費者に最も人気があるCMスターは断然キム・ヨナ」と口をそろえる。キム・ヨナが出演するCMに対し、消費者らは最も好感を示すという。このような広告業界でのキム・ヨナ人気は、1次的には「不況」と関連していると分析されている。世界的な不況に陥り、心理的に大きく委縮した消費者らが「希望」を求め、その「希望」にキム・ヨナが当てはまったということだ。韓国がアジア通貨危機に陥った1990年代後半、プロゴルファーの朴セリ(パク・セリ)が国民に希望を与えたのと同じ現象だ。
広告代理店の第一企画関係者は「最近のような時代には人々の心をすっきりさせるようなCMが必要。しかし、芸能人ではそのような役割を果たせない」と話す。
キム・ヨナが数々の試練を乗り越え、韓国では未踏のスポーツ分野だったフィギュアスケートで世界のトップになったことも、消費者の英雄心理にアピールしている、というのが広告業界の説明だ。