日帰りで行く韓国の中のフランス

 大幅なウォン安と経済危機のために海外旅行など夢のまた夢の今日このごろ。卒業や春休みシーズンを迎え、どこかに行こうとせがむ子どもたちや、そんな子どもたちに新しい世界や異文化を見せてあげたい親にとって、もどかしい日々だろう。美しいものや新しいもの好きの恋人たちも同じ心境なはずだ。そんなとき、車や電車で海外旅行に行けるとしたら? その上、「日帰り」も可能で、飛行機代や宿泊費に悩む必要もないとしたら? 京義道坡州のプロバンスと加平プチ・フランスは、そんな願いを叶えてくれる「フランス風の香り」漂う、丘の上のフランス村だ。



◆澄んだ空、豊かな日差し

 坡州プロバンスは恋人たちや、お姫さまのいる人形の国を夢見る少女にはぴったりのスポットだ。自由路をムンサン方面に向かうと、右側の丘の上にカラフルな建物が立ち並んでいるのが見える。レストラン、リビング館、ハーブ館、ファッション館、カフェが並ぶテーマパーク・スタイルのフランス村だ。フランスの家庭料理、しゃぶしゃぶ、バーベキューなどさまざまなレストランがそろっている。ベーカリーで焼きたてのパンは香ばしいにおいを放ち、可愛らしいキッチン家具がいっぱいのリビング館も主婦に大人気だ。

 プロバンスの近くにある坡州ヘイリ芸術村アティヌス地下1階のネバーランド・ピクチャーブック・ミュージアムでは、「フランス絵本原画展」が3月15日まで開催されている。フランスの有名イラストレーター30人が描いた原画150点が、子どものたちの童心を刺激する。

◆花、星、星の王子さま

 清平ダムから南怡島の方向に湖沿いの道を約10キロ進むと、左側の丘にかわいらしい16軒の白い建物が立ち並ぶ。建物だけを見ると地中海沿岸の村のような雰囲気だが、ここが京義道加平の「プチ・フランス」だ。 あちこちにはサン=テグジュペリの『星の王子さま』の銅像が目に付く。周りの散歩道まで含めると、総面積は11万7357平方メートルに及ぶほど広く、元気いっぱいの子どもたちと一緒に異国の雰囲気を味わいたい家族連れにはぴったりのスポットだ。150年以上前のフランスの家をそのまま再建した住宅展示館、 サン=テグジュペリの作品を存分に味わうことができる記念館、美しいメロディーが流れるオルゴールの部屋、虎鳴山と清平湖を見渡すことのできる3階建ての展望台など見どころ満載だ。オルゴールの部屋では、フランスから持ち込まれた大型オルゴールが毎時間40分ごとに10分間鳴り響く。

 ここはドラマ『ベートーベン・ウイルス』(MBC)のロケ地にもなった。指揮者カン・マエ(キム・ミョンミン)の作業室をはじめ、トゥルミ(イ・ジア)とカン・ゴヌ(チャン・グンソク)が初めてキスをした場所もここにある。同ドラマの出演者全員のサインも展示されており、ドラマの余韻に浸ることもできるだろう。

 プチ・フランスから南怡島の船着場までは14キロ(車で約20分)。プチ・フランスの後ろに広がる虎鳴山の頂上には虎鳴湖がある。この湖は標高632メートルの山頂に作られた人工湖。まるで白頭山の頂上にある天池を見るような気分になれるスポットで、加平八景の一つとして有名だ。

キム・ギョンウン記者
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