インタビュー:ユ・ジテ「創作を夢見る俳優になりたい」(下)


 そういえばユ・ジテは、『スターの恋人』の俳優やスタッフを元気づけるため、今回のインタビューも自ら買って出た。有終の美を飾りたいという気持ちからだ。ユ・ジテは「脚本家のオ・スヨンさんはほかのことを考えず脚本を書くことだけ、ブ・ソンチョル監督も演出にだけ集中してくださったら」と繰り返し強調した。

 結局、台本が遅くなっても自分はかまわない、と照れくさそうに笑った。5日連続の撮影で5時間しか眠れなかったにもかかわらず、ユ・ジテは楽しいとほほ笑んだ。

 幸い『スターの恋人』は韓国だけでなく、日本での放送も控えている。

 ふと気になった。『オールドボーイ』で世界的に有名になったにもかかわらず、ユ・ジテがまだ「韓流スター」の一員になっていないのはなぜか。

 「韓国の俳優として自尊心を守りたかった。米ハリウッドに進出したい俳優、韓流スターになりたい俳優たちが多い。しかし僕は、韓国の俳優としての自尊心を持った俳優でありたい。運よく後々海外進出できたとしても、まずは韓国の人たちに認めてもらうのが先だ」

 ユ・ジテはこれまで2度ハリウッド進出の機会があったが、断っていた事情を打ち明けた。フランスの俳優たちがそうだったように、ユ・ジテも韓国を代表する俳優として認められたいのだ。

 特にユ・ジテは、与えられた役をただお金をもらって演じる俳優ではなく、「創作を夢見る俳優」になることを願っている。

 「僕は俳優を二つに分類する。芸術家か、生活人か。生活人はお金をもらって演技をするだけだが、僕は創作人になりたい。監督と俳優を両立しながら作品を作っていく創作人に!」

 淡々とした口調で大きな夢を打ち明けたユ・ジテ。60歳、いや70歳になっても大衆の期待を一身に受ける芸術家、その夢のためユ・ジテは今日も我が道を突き進む。

キム・ジヨン記者
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