-チョン・ジュノにはコメディー俳優としてのイメージがあまりない。その秘訣は何だろうか。
「周りがしっかりとお膳立てしてくれたからだろう。周りに親近感を与える俳優なら、キャラを変えることも可能だと思う。親しみがあれば、その思いと理想についても伝えやすい。俳優が観客と親しくなれなければ、壁を打ち壊すことはできないし、またそうなればどのような仕事を頼まれても、期待に答えるだけのポイントを押さえることができる。個人的には観客と親しくなる必要性を感じているし、自分を乗り越えなければならないと思っている。また投資してくれた人たちのことを考えれば、リスクが小さいコメディーのジャンルを選びがちになる。
-チョン・ジュノといえば俳優、実業家、政治家というイメージがある。チョン・ジュノはいつになったら政界に挑戦するのかという声も多いが。
「政治部の記者たちも、会うたびにいつもそのことについて聞いてくる。親しい国会議員の先生も、自分の選挙区からは出るなと言っている。忠清南道禮山出身だが、故郷を思う気持ちで地元のイベントには何度も参加した。多くの人たちがそう思って当然だろう。
政界への進出について具体的に考えたことはない。しかし政界は不合理なシステムで矛盾も多いと思う。本当に国民のために奉仕する人は何人いるのか、いつも考えている。ただスーツを着て議員バッジを付けるだけなら、今の俳優業を続けた方がいい。
課題を解決できる政治的な信念と哲学がなければ、政治をすべきでない。人当たりの良い俳優として、また酒を愛し、さっぱりとした性格の俳優として幸せに生きていきたい。芸能人が政界で成功できないのは、あまりにも純粋だからだろう。単調な生活をしてきた人が政界で信念を持って行動すると、ばかにされてしまう」
-実業家としても成功した。
「事業に対しては大きな野望がある。俳優がだめでも、マネジメント、映画会社、ホテルなどの経営はやりたい。時間的に多くの余裕はない。いろんな話も入ってくる」
-ホテルを始めたのは意外だった。ホテルは収益性がそれほど高いとは言えないはずだが。
「ビジネスの基本的な目的は金を稼ぐことだ。そのためにはこの世の流れについて知る必要がある。ホテルは客室の65%が埋まれば利益が出る。名分も申し分ない。ハワイにあるホテルの社長という立場さえあれば、それ以外の事業と連携させることもできる。地域の有志として、どんなことをやっても自分のタイトルになる。実体経済でビジネスをやってみると、チャンスも多い。
韓流ブームを予想し、芸能人を前面に押し出したマーケティングを行うこと。これが毎年黒字を出す秘訣だ。ハワイでは有名なホテルになった。ホノルルにツアーで出かけると、米国人も日本人も、韓国の映画俳優が経営しているホテルだと知っている」
-対人関係の秘訣は何か。
「40年の人生で自分にとって自信のあることといえば、人を自分の味方に付けることだ。いろんな人に会って感じることは、どのような場所でどのような人に会っても、自分は2時間か3時間は話を続けることができる。いくら金があっても買えない、自分にとっては大切な特技だと思う。それができるようになるまでに、80%ほど自分自身を犠牲にした。
嫌な人も味方に付けること。これには忍耐が必要だ。敵を一人作ってしまうと、後から10人の敵になって現われると考える。忍耐力を持って自分の味方にしなければならない。
真実を持って人に接すれば、誰でも包容できるものだ」