【インタビュー】チョ・インソンが目指す俳優像とは(下)


―今、チョ・インソンさんにとって最も重要なことは何ですか?

「いい大人になることです。阿羅漢(小乗仏教の最高の悟りに達した聖者)のような人間になりたい。空気の中に浮かぶように生きているけれど、この世からは外れており、この世の理知をすべて知っているけれど、知らないふりをしている人です。でも(私は)非常に目立つ存在になってしまったのではないかと思います。雨に打たれないためには家の中でじっとしているしかありませんよね。この世で生きていくためには雨に降られるのはやむを得ないものです」

―今回の映画ではチュ・ジンモさんと濃密な同性愛シーン、ソン・ジヒョさんとの濡れ場もありましたね。準備はどんな風にしましたか?

「準備と言えるものはジムで体を鍛えたことくらいです。行為それ自体を見せるための濡れ場ではなく、感情を表現するための手段なので特別難しいということはありませんでした。ジヒョさんがとても大きな勇気を出して演じてくれたおかげで、私は楽に演じることができました。王との情事は王ではなく王妃だと思って臨みました。男であれ女であれ、人と人との関係ですから」

―チョン・ウソンさんを見て俳優になりたいと思ったと聞いていますが。

「中学2年か3年のころでした。ドラマ『アスファルトの男』でチョン・ウソン先輩を見たのですが、とてもかっこよかった。それがきっかけで、高校2年のとき、MBCアカデミーのモデル1期生に入りました。運良く1~2カ月後にオーディションに合格し、CMに出演することになりました。その後、約2年間モデルの仕事をした後、現在の所属事務所に入り、俳優の道を歩み始めました。両親が積極的に応援してくれました。MBCアカデミーの生徒募集のビラも両親が持ってきて“ここに志願してみたら”と勧めてくれたんです。母が背が高く、全体的に母に似ています。小学生のころから背が高く、高校のときに今の身長になりました。そのときは今(72キロ)よりもっとやせていて65キロしかなかった」



―最初から俳優として成功できるという確信がありましたか?

「いいえ。ずっと肩身の狭い思いをしてきました。モデル生活をしながらあちこちでオーディションを受けたのですが、ハンサムな人が本当にたくさんいました。オーディションには何度も落ちました。ドラマ『学校2』に落ちた後、『学校3』で合格し、俳優としての第一歩を踏み出しました。シチュエーションコメディ『ジャンプ』に出演したけれど、演技が下手で途中で降ろされました。最初はただ芸能人になりたいという思いだけだったのに、何度もそういうことがあったせいでむしろ演技に対する思い沸いてきました。今でも演技では完全な信頼を得ていませんが、演技に対する情熱はもっと強くなっています」

―空軍の軍楽隊を志願したと聞いていますが、除隊後は30歳になりますね。どんな30代になると思いますか?

「20代が下絵を描く時期だとすれば、30代は色を塗る時期ではないでしょうか。素晴らしい監督に出会い、たくさん教わりたい。毎日を情熱的に生きてみたい。ぎとぎとしない、涼しい俳優になりたいです」

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