―女性ファンが非常に多いですが、その理由は何だと思いますか?
「善良そうに見えるからでしょう。でも本当はそうではありません。いい奴ではないです。他人の悪口もよく言いますし、不平や不満も多いです。怒りの感情をうまく抑えることもできないですしね。でも人気が不安になることもあります。ファンの方が実際の自分を知ったらがっかりするのではないかと。だから自分にもっと厳しく、他人に寛大になるように努力しています。人間は朝目覚める瞬間から偏見を持ち始めるっていうじゃないですか。私にも頑固で意地っ張りな部分があります。自分に厳しくならなければいい大人にはなれないと思う。何より私はいい大人になりたい。
―チョ・インソンといえば浮かぶイメージのひとつは思春期の少年です。出演作品の中でも年上の女性とのロマンスを度々演じています。母性愛をくすぐるイメージがあるように思いますが、実際のところはどうですか? だからいい大人になりたいという願望があるのではないですか?
「人は自分が見たいところだけを見るものです。他人の目に映る姿も自分の姿ということです。私を少年と見るならば、それも私の持つ一面ということでしょう。何かのフリや、そうでないフリをしてまで、生きて行きたくはありません。周りで悪い大人をたくさん見てきたので、いい大人になりたいという思いが強くなったようです。(東国大学の)アン・ミンス教授が自分がどんな脈絡で生きているのか、現在の自分を絶えず振り返らなければ大人にはなれないとおっしゃっていました。いい大人になる方法は教科書には出ていません。人生には突発的で瞬間的な状況が多く、その対処法は誰も教えてくれません。とにかく理解し、知り、学ぶよう努力しています。俳優は後天的に学ぶことが多いし、作品を通じて自身を映し出すことになります。私も軍隊に行ってきたら30歳になります。大人になる時期だと思います。若さを理由に大目に見てもらえることが少なくなる年齢、過ちや試行錯誤を減らさなければならない時です」
―女性にかなりモテるのでは?
「一度も女性から積極的なアプローチをされたことがありません。世間のイメージではなく、実際の自分が果たして魅力的な人物なのかと自問すれば自信がない。人気タレントやお笑い芸人はテレビで見せている姿と実際の姿は同じじゃないですか。俳優は全く違うんです。俳優ではなく人間チョ・インソンは愛される存在か。考えてみても懐疑的な思いを抱いてしまう。私は自分に自信があまりないんです。いい女性は男の知的水準や話し方、能力を先に見るでしょう。ルックスはその次です。魅力ある男になるためには一生懸命学ばなければなりません」
―時々訪ねてアドバイスしてもらう人はいますか?
「はい。その方に迷惑をかける恐れがあるので名前を一人一人挙げることはできませんが、ユ・ハ監督もその中の一人です(『卑劣な通り』『霜花店』とユ・ハ監督の作品に出演)。大部分はテレビを通じて知識や情報を得ますが、私は活字に慣れるよう努力中です。人は常に未完成なものなので、自らを完成させるためにはそれが重要だと思います。 卓越した言葉や知識を持つ方々は、私の頭の中に雲のように浮かんでくる考えを整理できるようにリードしてくれます。ユ・ハ監督をはじめとした私の先生たちは私にそんな快感を与えてくれるんです」
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