牛乳は114種の栄養素が含まれた完全食品だ。牛乳100ミリリットルにはたんぱく質3.29グラム、脂肪3.34グラム、炭水化物4.55グラム、カルシウム105ミリグラムのほか、体内で合成することのできないアミノ酸も豊富に含まれている。このように栄養学的に完ぺきといえる牛乳だが、新たに驚くべき研究結果が続々と発表されている。
◆肥満予防
最近、米国のテネシー大学研究チームは「米国栄養学科ジャーナル」の最新号で発表した研究報告書で、毎日牛乳を220ミリリットル摂取し続けた場合、1年後に体重が平均2.7キロ減る効果があると発表した。また、2004年には米ハーバード大学医学部の研究チームがハワイで暮らす9-14歳の少女323人を対象に研究を行った結果、乳製品を通じたカルシウムの摂取量が多い少女たちは、そうでない少女たちより標準体重に近く、ウエストの脂肪量が少ないことが分かったという。
このように専門家たちは、カルシウムが脂肪細胞の蓄積を遮断するとともに、カロリー消費を増加させる効能を持っており、特に乳製品に含まれるカルシウムは体重と腹部脂肪との関連性が高いと話している。さらにカルシウムは、小腸で脂肪の吸収を促す胆汁酸の機能を弱めるため、牛乳を飲むと脂肪が吸収されにくくなり、肥満を予防する効果があるとしている。
◆糖尿病予防
牛乳に含まれる乳糖や乳果オリゴ糖は時間をかけて吸収されるため、血糖値の曲線を安定的に維持し、糖尿病を予防する。乳糖はブドウ糖よりゆっくり代謝作用が進むため、牛乳を飲んだ後は、血液中のブドウ糖の濃度が急激に上昇することがない。また、乳果オリゴ糖は牛乳を殺菌する過程で乳糖が変化して生成される糖成分で、コレステロール性の胆石を防ぐ。
糖尿病は心血管の合併症をもたらす。これを予防するためにはビタミンCとE、ナイアシン、ビオチン、そしてマグネシウム、亜鉛などを普段から摂取しておかなければならない。また、1日3回ずつ99ミリグラムのカリウムを摂取しなければならず、毎日水6-8杯を飲むよう勧められている。
牛乳にはこのような成分がすべて含まれているため、1日コップ1杯の牛乳を毎日飲むだけでも、糖尿病を予防する効果が十分にあるということだ。
◆骨粗しょう症の予防
韓国の場合、毎年平均65歳以上の女性の二人に一人、男性5人に一人が骨粗しょう症による骨折を経験している。
一般的に男性の場合、骨密度が20-30%、女性は40-50%低下するとされている。60歳以上になると、さらに骨粗しょう症になりやすくなるため、骨密度を高める必要がある。
骨密度を高めるためには、1日コップ2杯の牛乳を飲むとよい。1杯=200ミリリットルの牛乳には200ミリグラムのカルシウムが含まれており、1日2杯飲めば、体に必要なカルシウムの50%を充当することになる。
また、牛乳にはカルシウムがリンの約1.2倍含まれており、リンによるカルシウムの消失もない。また、牛乳に含まれるカルシウムはたんぱく質と結合しているため、ほかの食品よりも吸収がよいという特徴もある。
◆美容効果
化粧品に牛乳や牛乳の成分がよく使用されていることからも分かるように、牛乳には美容効果の高いビタミンA、疲労回復に効き目があるビタミンBとともに、良質のたんぱく質が多く含まれている。
特に、牛乳に含まれている良質のたんぱく質は肌の組織を再生、肌にハリとツヤを与え、若々しく保つ効果がある。
また、牛乳に含まれるカルシウムは歯を美しくし、鉄分は肌の新陳代謝を活発にするとされている。