インタビュー:イワンが語る姉キム・テヒの本当の姿

 イワンは姉キム・テヒと雰囲気が全然違う。ワイルドで男らしい外見もそうだし、「はい」「いいえ」という風に短く受け答えする話し方も、キム・テヒにはない部分だ。だからイワンがインタビュー中、「僕の姉はキム・ヒテです」と言わなければ、二人が姉弟だということを忘れてしまう。それでも姉弟なのだから、足の指くらいは似ているだろうが。

 二人が全く違う雰囲気を持っている理由は、先にデビューした姉キム・テヒの影に埋もれたくなくて、イワンが自ら努力したからだ。キム・テヒが明るく優しいイメージなら、イワンは少し暗く、反抗的なイメージを作った。いくら好きでも、姉には絶対付いて行かない弟の反抗のように。本名のキム・ヒョンスとは全然感じが違うイワンという名前を付けたのも、人々が姉弟だということをすぐに思い浮かばないようにするためだった。

 「皆さんは僕たち姉弟がとても穏やかで、会話もたくさんするイメージを持っていますが、僕たちは少し無愛想です。家に一日中一緒にいても、ほとんど話をしないんですよ。特に、姉が僕に話しかけることはほとんどありません。最近は少し変わりましたが」

◆慶尚道出身、無愛想な姉弟の最近の話題

 最近、二人が会話を交わすようになったのは、イワンが初めて映画で主演を務めてからだ。イワンは今月6日に公開された『少年は泣かない』で、韓国戦争直後、壮絶に生きる18歳の少年ジョンドゥを演じた。義理と自分の拳だけを信じる、実際のイワンとよく似た役どころだ。人々は「本来の君の姿を見せるだけで大丈夫だね」と簡単に言うが、イワンにとっては生まれて初めての主演映画のため、キャスティングされて以来、ずっとプレッシャーに悩まされたという。ペ・ヒョンジュン監督に付きまとい役についてしつこく質問し、親しい先輩俳優にはアドバイスを求めた。イワンがアドバイスを求めた先輩の中にはキム・テヒもいた。

 「姉は期待していませんでしたが、僕が映画の主演を務めると言ったら、以前とは違い“台本をちょっと見せて”と演技についていろいろな話をしてくれました。たった一人の弟が悩んでいるのを見て、じっとしていられなかったようです。“すごく魅力のある役だから一生懸命やりなさい”と言われました。その言葉が本当に大きな力になりました」

 普通は兄弟姉妹で俳優をやっている場合、一人がとても有名になると、もう一人は委縮してストレスを受けるものだ。しかしイワンはそうではないという。むしろ「幼いころから姉の恩恵をたくさん受けて育ってきました。インタビューでも姉のことをたくさん聞かれ、今も恩恵を受けているようです」と潔く受け入れる。邪心のない人だ。余談だが、幼いとき姉に受けた恩恵とは、とてもキレイな姉を持ったおかげで、先輩たちにイジメられることがなかったという話。男たちにとっては、涙が出るほどありがたいことだ。

 「姉のせいでストレスを受けないかとよく聞かれます。もし姉ではなく、兄だったら嫉妬したかもしれませんが、僕はそういうことはありません。家族の一人が芸能界で最高のポジションにいることが誇らしいです。僕も頑張らなくちゃいけないと常に思います」

 イワンは2年間、映画『少年は泣かない』に全力を注ぎ、本人も内心満足げな様子だ。演技が好評で、次の作品の出演オファーが相次いでいるという。これからは荒々しい役ではなく、ラブストーリーもやってみたいというイワン。今回の映画で演技力を認められるようになった弟を見て、姉キム・テヒも満足しているのではないだろうか。

取材=チェ・グクテ記者
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