厚く積もった落ち葉がカーペットのように続く晩秋の散策は、森が人間に贈る今年最後のプレゼントだ。
落ち葉踏みを楽しめる晩秋の登山にぴったりな山を紹介する。
◆京畿道抱川「鳴聲山」
毎年9月末から10月初めまでススキ・フェスティバルが開催される。綿のようにふっくらしたススキの花は枯れてしまったが、銀色に波打つススキ林の真ん中に立つだけで晩秋の情緒を感じることができる。にぎやかなフェスティバルが終わった鳴聲山のススキ林は恐ろしいほど静まり返っている。金色の日差しが降り注ぐススキ林の上に広がる空は、目に染みるほど青く輝いて見える。
クヌギの落ち葉が積もった小さな登山路はこぢんまりしている。山の中腹まで登れば湖を見下ろすこともできる。 鳴聲山の本来の名前は「ウルム山」。王建に追われ身を隠していた弓裔が殺された山だという説がある。弓裔が息を引き取ると、主人を失った臣下や馬が山に響き渡るほど鳴いたという伝説により、「ウルム(泣き)山」という名前が付けられたという。鳴聲山はウルム山を漢字で表記したものだ。
◆江原道江村「剣峰山」
山というよりは「峰」と言った方がいいような小さな山。海抜530.2メートルというこぢんまりとした山のため登りやすいが、華やかさはない。目で見る楽しみよりも、厚い落ち葉のカーペットを踏みながら楽しく歩くのに適している。登山客が石を積んで作った小さな「石の塔」があちこちに見られる。
◆全羅南道順天「曹溪山」
土を踏んで山を登れるようなところは少なくなったが、 曹溪山は柔らかい土を踏みしめながら登れる数少ない山の一つだ。登山路を守るため石を敷き詰めたほかの名山とは違い、登山路が最後まで柔らかい土でできているため、疲れを感じることなく山に登ることができる。
松広寺と仙巖寺をつなぐ道は特に傾斜が緩やかなため、恋人たちが手をつないで歩いてもいいほどロマンチックな道だ。
この道を過ぎると、映画『アジェアジェ・バラアジェ』の最後のシーンを撮影したという仙巖寺に到着。ここまで歩けば晩秋の散歩は完成、十分な満足感を得ることができるだろう。
◆江原道洪川「加里山」
見晴らしのいい山。眺望が素晴らしく、「江原道一の展望台」と呼ばれる。天気がいい日には香爐峰、雪岳山、五台山につながる白頭大幹と高山峻峰が一目で見渡せる。頂上からは昭陽湖が見える。落ち葉を踏みながらの登山を楽しむには最高の山だ。頂上には大きな岩が三つそびえ立っており、その岩の下から湧き出ている水で乾いたのどを潤せば、登山の疲れも吹き飛ぶ。
◆京畿道漣川「高台山」
京原線鉄道が休戦線で止まった地点にそびえ立つ山。落ち葉の積もった森とたくさんの石が調和をなしている。裸になった木々が太陽の光を受けて白く輝き、一味違った情緒を醸し出している。頂上に到着する直前、がけの上に見える巨大な岩は荒々しく男性的な雰囲気だ。