伴侶を失ってから2カ月。しかしチョン・ソニの涙はまだ乾いていなかった。
17日午後、夫アン・ジェファンさんの遺骨が安置されている追慕公園(京畿道高陽市碧蹄)を訪れたチョン・ソニは、この日もまた嗚咽した。奇しくもこの日は二人が多くの人々の祝福を受け、結婚式を挙げた日だった。チョン・ソニは1年前の幸せだった瞬間を思い出しながら、マネージャーと一緒に静かに夫を訪ね、涙を流した。
晩秋の風がいつになく冷たい17日午後2時ごろ、白いジャンパー姿で納骨堂にやって来たチョン・ソニは、以前よりひとまわり小さくなったように見えた。車を降りたときから、既に目には涙が一杯にたまっていた。
故人の遺骨が安置されている「サラン館」の入り口で、弔問客のために設置されたボードに飾られているアン・ジェファンの写真を見たチョン・ソニは号泣し始めた。明るく笑っている故人の写真を何度も手で触りながら泣き続けた。
一握りの灰となってしまった夫と向かい合いながら、感情を抑えきれず号泣する姿に、周りにいた人々も胸を痛めた。チョン・ソニは約5分間にわたり、泣いたり泣き止んだりを繰り返した。
肩を震わせながら泣くチョン・ソニに同情したのか、納骨堂の関係者はもっとゆっくり夫と話をするようにとイスを準備してくれた。しかしチョン・ソニはこれを丁重に断り、30分間立ったまま故人の写真をぼう然と見つめては泣いていた。
偶然この場に居合わせた弔問客たちはチョン・ソニと悲しみをともにし、いつまでも泣き止まないチョン・ソニを切なそうに見つめていた。
チョン・ソニはこの日午後2時15分ごろ、納骨堂を出た。マネージャーに支えられエレベーターに乗るときも泣き続け、現在の心境を聞く記者たちの質問にも答えず、ただ涙を流していた。その後、チョン・ソニは泣きながら納骨堂の外に駐車してあった車に乗り、納骨堂を後にした。30分以上も泣き続けたチョン・ソニの後ろ姿は寂しそうだった。
この日、納骨堂で会ったチョン・ソニの所属事務所の関係者は、「チョン・ソニは今日、自宅を出発したときからずっと泣いていた。(チョン・ソニが)今日が最初の結婚記念日だとし、絶対に夫に会いに行きたいと言うので連れて来た」と、納骨堂に来た理由について語った。
チョン・ソニが帰った後の故アン・ジェファンさんの納骨堂。永遠を約束してから1年もたたずに天国に行ってしまった夫。結婚記念日を忘れず訪ねてきてくれた妻を見て喜んでいるだろうか。遺影の中のアンさんの笑顔がいつにも増して幸せそうに見えた。