最近は安くて美味しい飲食店が多い。「高くて気軽に食べられない」という先入観があった韓定食もこのような傾向が強くなり、わずか1万ウォン(約760円)で韓定食のコースを食べることができる店も増えてきた。そのうちの一店、韓定食を1万ウォンで食べることができる「庭の母屋」を訪ねてみた。
この店の料理は清潔感がありさっぱりした味付けで有名だが、その秘訣は基本のだしにあった。テンジャン(韓国味噌)やコチュジャン(唐辛子味噌)をはじめ、松の葉エキスや松の実の酒などを基本のだしに使用し、味噌類は日当たりのいい屋上で漬けている。おかずの食材として使用されるキノコやナス、ナムルなども、店で直接日干しして乾燥させたものを使用している。そのせいか、この店の料理は幼いころ田舎で食べたおかずの味がする。簡単なおかず一つにも主人の真心がこもっているため、当然美味しいはずだ。テナガダコの炒め物やプルコギ(焼き肉)、焼きツルニンジン、エイの稚魚の刺し身和えなど、さまざまな一品料理が1万ウォンの中に含まれている。
◆メニューの中身は?
サラダ、野菜のコチュジャン和え、ジョン(肉や野菜の韓国風ピカタ)、蕩平菜(ソバ、ドングリ、緑豆などの粉末をゼリー状に煮固めたものを野菜と和えた料理)、コチュジャン・プルコギというコース料理のほか、10種以上の季節のナムルとテンジャンチゲ、焼きサンマ、ナムルを乗せた石焼ご飯が出てくる。わずか1万ウォンでこれらすべてを味わうことができるなんて、思わずほおが緩んでしまいそうだ。
営業時間:午前11時30分‐午後9時30分。
場所:京畿道高陽市徳陽区ジチュク洞595番地
●お手ごろ価格の韓定食リスト
◆クヒョン品
値段の割に美味しいことで有名な京畿道高陽市一山の「クヒョン品」。エゴマのソースを使ったサラダや蕩平菜、イシモチ、フダンソウの葉、テンジャンチゲなど、さまざまなメニューが一人前7000ウォン(約540円)。店内は高級韓定食といった雰囲気ではないが、家族連れで気軽に食事を楽しむことができる。特に軽く焼いたギョーザの皮に鶏のササミを包んで食べる料理はこの店の名物。
メニュー:クヒョン品定食7000ウォン、干しスケトウダラ焼き6000ウォン(約460円)、海鮮とネギの韓国風お好み焼き・肉炒め1万ウォン
場所:京畿道高陽市一山西区大化洞2122‐1番地
◆野菊の香り
京畿道が美味しい店に指定した「野菊の香り」は、ムード満点のカフェのような韓定食の店だ。田畑で直接栽培したコメや野菜、自家製の味噌類で料理を作るため、素朴な家庭料理のさっぱりした味が特徴。近くに物旺貯水池があり、食後には散歩もできる。
メニュー:韓定食1万4000ウォン(約1100円)、花定食1万9000ウォン(約1460円)
場所:京畿道始興市サンヒョン洞234‐1番地
◆ソダム
LAカルビ(骨付きカルビ)、カルビ、ツルニンジン、エビ、テナガダコが盛り付けられた皿とテンジャンチゲがセットになった韓定食が2度に分けて運ばれてくる。退溪院の畑で栽培した野菜を食材とし、調味料を使用していないあっさりした味わいが逸品。そのほかにもダイコンやシシトウの漬け物、蒸したゴマの葉など、17種のおかずが並ぶ。
メニュー:ソダム定食1万5000ウォン(約1150円)場所:ソウル城北区東小門洞6街111番地