相次ぐ芸能人の自殺、サイバー暴力の根絶が急務


 悪質な書き込みによる精神的な苦痛が故チェ・ジンシルさん(40)を自殺に追い込んだ理由の一つであることが明らかになり、インターネット上の悪質な書き込み、根拠のないうわさを広げる行為などの根絶が改めて求められている。

 特定の人物を陥れる目的で悪いうわさを広め、確認もできていないうわさを根拠にその人物を非難する、という行為が生んだ被害者は、これまで一人や二人ではない。

 特にインターネット上で広がる悪質なうわさ、悪質な書き込みによって自殺したといわれる芸能人には、チェ・ジンシルさんのほか歌手ユニさんがいる(昨年1月)。

 また、チュ・ビョンジン、コ・ソヨン、キム・テヒは悪質なうわさによる被害に対し法的対応を取り、歌手ナ・フナは記者会見まで開いた。

 さらにチェ・ジンシルさんは一家の家長だった。夫と離婚した後、母親と二人の子どもを養っていた。特に二人の子どもは母親を失ったという点で、チェ・ジンシルさんの死は単純な個人の死にとどまらない。

 チェ・ジンシルさんは親友チョン・ソニの夫、故アン・ジェファンさんの自殺に40億ウォン(約3億4300万円)の借金がからんでおり、このうち25億ウォン(約2億1500万円)をチェ・ジンシルさんが貸したといううわさがインターネット上で流れ、精神的な苦痛を受けてきた。

 チェ・ジンシルさんは死亡する前日、3日に予定されていた子どもたちの運動会への参加すら迷っていたという。根拠のないうわさが広がっている状況で多くの人が集まる場所に行けば、好奇の目で見られ、コソコソ自分を非難する声が聞こえるのは想像に難くないからだ。

 今回のうわさについては警察が容疑者を呼び事情聴取を行うなど、捜査が進展しており、うさわが根拠のないものであることが明らかになりつつあったが、うさわとは簡単には消えないものだ。子どもたちと一緒の席でこのような状況に追い込まれるのは辛かったのだろう。

 今回の事件を契機に、韓国放送映画公演芸術人労組はインターネット・ポータルサイトなどと協力し、悪質なうわさや書き込みに対する対応策を設けるなど、根絶に向け動き出している。政府もこのようなサイバー暴力に対する規制を厳しくするなど、対策を講じているという。

 新たな犠牲者が出た今、一歩遅い対処ではあるものの、今回の動きが実を結び、今後2度とこのような事件を発生させてはならない、というのが芸能界関係者らの願いだ。

キム・ウング記者

【ニュース特集】チェ・ジンシルさん自殺

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