カン・ドンウォン、イ・ミョンセ監督訪日(上)

26日シネマート六本木にて『M』訪日試写会見


 カン・ドンウォン主演の幻想的な映像美が魅力の作品。監督は映像のスタイリスト、イ・ミョンセ監督。2005年の『デュエリスト』では斬新な映像演出に取り組んだ時代劇アクションが印象的だ。

 今回の『デュエリスト』コンビが放つ最新作『M』は、天才ベスセラー作家が迷い込んだ初恋の記憶を紐解く、白昼夢を鍵としたミステリアスな世界が描かれている。

 そのプロモーションのためにカン・ドンウォンとイ・ミョンセ監督が日本を訪問した。

-二人から一言あいさつを。

イ・ミョンセ監督「『デュエリスト』の時に、カン・ドンウォンさんと一緒に日本に来ましたが、その日から今回は2年ぶりに日本に来ました。映画『M』が皆さんに愛していただければと願っています」

カン・ドンウォン「日本に公式スケジュールで来たのは久しぶりです。うまく記者会見をこなせるかどうか緊張しています」

 今回、二人は『M』をはじめとした韓国の最新作17本が公開される「韓流シネマ・フェスティバル2008 ラブ&ヒューマン」の舞台あいさつのために訪日した。東京で3回行われる舞台あいさつへの応募総数は1万5000枚。名古屋での2回の舞台あいさつの応募総数は17000枚。どちらも即完売となった。

 この大きな人気を受けて、『M』は韓フェス終了後に単独公開が決定。日本の多くのファンが二人の作品を待ち望んでいたことが証明された。

-これを聞いてどうか。

イ・ミョンセ監督「これらすべてはカン・ドンウォンさんのおかげです」

カン・ドンウォン「多くの方に関心をもっていただいてほんとにうれしい。映画を楽しく観ていただければと思います」

 続いて質問タイム。

-『M』は内容がとても難しいストーリーであると思う。撮影するにあたって大変だった点は?

カン・ドンウォン「『M』は難しい映画なのでしょうか。ストーリについて僕はとても簡単明瞭な物語であったと思う。皆さんはどうだったでしょうか。映画そのものに大変なことはなかったけれど、当時個人的にいろいろあって、逆に映画の撮影現場に行って、それを解消していました」

-『M』には日本料理店のシーンが非常に心象に残ったが、 ミヌとしては焦燥感のようなものが現われていたと思う。このシーンにおいてカン・ドンウォンさんはどういう風に演じていたか、また、監督は観客に混乱を与えているという話を聞いたが、このシーンは観客にどういった効果をもたらしたと思うか。

イ・ミョンセ監督「この映画で重要なのは現実と非現実の境を消していくというのがポイントでした。そのため人によっては難しく感じた方もいるかもしれません。

 特に日本食のシーンは重要な場面です。日本食といえば日本茶があるが、それを表す緑で壁の色をデザインしています。緑というのは精神的な問題を表す色でもあり、非常に複動的な意味があの日本食の空間に込められています。

 とにかく今回の映画ではすべての空間が動くようにセットを作りました。そのセットが持つ意味も重要ではありますが、特に最初の場面ではカット割りなく、1シーン1カットで撮ることによって、ミヌの状態やミヌの現実と非現実の狭間を表現したいと思って撮りました。肉体的には厳しい面があったかと思うけれど、特にあの場面は重要な場面でした」

カン・ドンウォン「『M』を撮ったのは2年も前なので、撮影当時のことは昔のことのように思います。あのシーンはミヌにとって重要であったことは間違いないけれど、ミヌにとっては混乱した状態。その混乱が増していくという様子が描かれています。

 特に演技をしたり、表現したりする上で、大変だったということはありませんが、せりふを吐きだすようにするという演技が多くありました。初めは1シーン1カットでとっていたが、徐々にカット数が増えていくという撮り方で、体力的に少しきつかったことを覚えています。でも、私にとって最も楽しかった場面でもありました」



東京=小林宏江通信員

朝鮮日報日本語版

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