海外の有名ブランドと韓国の有名デザイナーの店が密集しているソウル市江南区清潭洞一帯は、対照的な街という意味で東大門ファッションタウンと比較される。手ごろな価格で服が売られている東大門ファッションタウンは外国人の観光客や卸売り業者など、いつも多くの人々で混み合っている一方、清潭洞は高級ブランドの服ばかりで近寄りがたい雰囲気だ。
このような点を補うため、江南区は来年から清潭洞と狎鴎亭洞一帯に高級ブランドの服を安く買うことができる「日曜売り場」を設置し、2011年までには各通りごとにウエディング、カフェなどのテーマを決め、ファッションや文化の名所として育てる計画を立てた。これにより、成長動力産業の一つとして「ファッションデザイン」分野を挙げているソウル市の政策にも拍車がかかる見通しだ。
◆50‐70%割引のブランド市場開催
来年5月から毎週日曜日、韓国の有名デザイナーたちの店が集中している清潭洞‐清潭洞ロータリー一帯の600平方メートルの区間でブランド品の割引市場が開催される。衣類のほか、靴やハンドバッグなど、各種アクセサリー販売ブースが200カ所以上並ぶ予定だ。清潭洞地域に店を出しているデザイナーたちが店の前に指定された広さの販売ブースを設置し、割引商品を販売するというやり方だ。一部のブースでは、住民代表、商店街繁栄会、ファッション専門街などが選んだメーカーの衣類やアクセサリーも販売される。すべての品物が定価より50‐80%安い価格で販売される予定だ。
江南区は定期的に日曜日ブランド市場の区間をギャラリアデパート名品館近くまで拡大することを企画している。しかし現在までのところ、海外ブランド店は日曜市場への参加は難しいという意思を明らかにしており、江南区の構想通りに実現するかどうかは未知数だ。江南区は「一般の市民の反響を得て、日曜市場にたくさんの人が集まるようになれば、海外のブランド店も刺激を受け、これに参加することが予想される」と説明した。
◆個性豊かなテーマ通り7カ所
先月、知識経済部が清潭洞・狎鴎亭一帯の96万3800平方メートルを「ファッション特区」に指定したことにより、この地域では道路交通法や道路法など、関連法の規制が緩和されることになった。通行止めにしてファッションショーを開催したり、市場やフリーマーケットなど各種のイベントが開催しやすくなるという。
これを受け江南区は、清潭洞地域にブランドファッション通りや芸術、芸能人、ウエディング通りなどを作り、狎鴎亭洞地域にはヤング、ニューファッション、カフェ通りを作ることにした。「芸術通り」は40余りのギャラリーが密集している清潭ロータリーからギャラリアデパート区間の狎鴎亭路の南側で、インスタレーション作品などを設置し、マンハッタンのSOHO通りのように育てる、という構想を立てている。
また、ウエディングドレスやウエディングプランナーなど、結婚関連の会社が密集している島山大路周辺は「ウエディング通り」として育成し、芸能事務所やファッションモデル関連の会社のあるシネシティー劇場周辺は俳優たちの手形で飾るなど、「芸能人通り」として育てる予定だ。
お洒落なカフェが多く立ち並ぶ島山公園周辺には地下駐車場や小規模の劇場などを作って「カフェ通り」にし、狎鴎亭洞ロデオ通りには舞台・噴水・彫刻などを設置し「ヤング通り」とする。デザイナーの事務所が増え始めたロデオ通り周辺は「ニューファッション通り」とする予定だ。
◆「ミラノのような世界ファッションの名所に」
清潭洞124-1番地一帯には地下1階、地上8階、延べ面積3500平方メートル規模のファッション支援センターがオープンする。ここはデザイナーの作品の展示場、ファッションショー会場、ファッション関連の教育施設、カフェなどに使用される予定だ。江南区は「ファッション特区」を作るための各種事業に計289億ウォン(約27億8000万円)の資金がかかると予想している。
一方、25‐27日にはファッション特区指定を祝う「ファッション・フェスティバル」が清潭洞・狎鴎亭洞一帯で開催される。アンドレ・キムをはじめ、有名デザイナー10人余りが参加し、ファッションショー、ブランド品マーケット、映画試写会、公演などが行われる予定だ。
孟廷柱(メン・ジョンジュ)江南区庁長は「ファッション特区が完成すれば、国内外の観光客を誘致することができるほか、雇用も増え、地域経済がより活性化する。ミラノのような世界的なファッションの名所に育てたい」と語った。