チェ・ガンヒ「憂うつそうに見える男性が好き」

チェ・ガンヒ・インタビュー(上)

 ソウル市江南区新沙洞の街路樹通りにあるワインバー。パリの裏通りにありそうなビンテージ風のインテリアを見ても、チェ・ガンヒの好みが分かる。狭い空間いっぱいに並べられたイスたち。あちこちに飾られた「がらくた」が自分の部屋のような居心地のよさを演出している。先延ばししてきた写真集の撮影を済ませてきたというチェ・ガンヒは、ドラマ『スイート・マイ・シティ』(SBS)の中のウンスそのままだ。花柄のシフォン・ワンピースにレギンス、そしてクルクルのベビーパーマ。2030世代(20代、30代の若者たち)の女性を代表するようなファッションだ。『スイート・マイ・シティ』を通じ、どこにでもいるような「韓国の普通のオールドミス」オ・ウンスとして半年を過ごしたチェ・ガンヒ。ウンスではなく、本物のチェ・ガンヒの姿が知りたくなった。濃厚な赤ワインを1杯また1杯と飲んでいくうちに、チェ・ガンヒの四次元的な魅力が少しずつ見えてきた。

 『スイート・マイ・シティ』以前のチェ・ガンヒは、ハイヒールなどたった2足しか持っておらず、古着風のTシャツを中心にした「ラフ」なファッションが主流だった。しかし最近は「以前よく着ていた服が自分の服のような気がしなくて…ウンス・スタイルの方が楽になっちゃいました」と当惑したような表情を見せた。「ドラマの中でもっと適当に服を着てもよかったのですが、ファッションに関心のある若い女性視聴者たちに関心を持ってもらうために頑張りました。反応がよかったので嬉しかったです。以前はそうでもなかったのですが、道を歩いていると、道行く人たちがわたしのファッションをチェックしているのを感じます」

 もともと部屋はきちんと整理しておく性格。しかし最近、遊びに来た友人たちには「どうして部屋がこんなになっちゃったの?」と驚かれるという。ドラマの中のウンスの部屋のように、いろいろな小物を片付けずそのままにしているためだとか。

 チェ・ガンヒは一人暮らしのウンスとは違い、家族と同居している。父親は子どものころに亡くなっており、母と3人の兄と一緒に暮らしている。



◆心に傷を持つ「憂うつそうに見える男性」にひかれる

 チェ・ガンヒはスキャンダルのない女優だ。しかしこれから誰かと恋に落ちたとしても、自らそれを公開することはないという。その代わり、「恋人のいる事実を既に知っている記者たちに質問されても、『いません』とは言えず、『知りません』とか『言いたくありません』と答えると思います」とチェ・ガンヒらしく答える。

 今回のドラマを通じて、実際の理想のタイプが変わったという。「好きな人と一緒にご飯を食べると胃が痛くなってしまうんです。とても緊張してドキドキしちゃうので。だから以前は、一緒にご飯を食べても消化ができないということがない、気楽な男性が好きでした。ヨンス(イ・ソンギュン)のような男性です。二人でイチャイチャすることもなく、ただ黙ってそれぞれの好きなことをしていても退屈しないような…」

 ドラマの最後のシーンはまだ鮮やかに覚えている。ヨンスと再会した後、「はじめまして」とあいさつするシーンだ。「わたしもウンスのように誰かを許し、『はじめまして』と言ってあげたいと思いました」

 ルックスはやや「憂うつそうに見える」男性がいいという。「ぶっきらぼうに見えるけれど、内面に傷を持っているような…抱きしめてあげたいような人、いるじゃないですか。芸能人の中ではイ・ビョンホンさんかな…? 欠点がある方がいいです。お互いに足りない部分を補いながら愛し合えるから」

 以前は49歳で結婚すると冗談のように話していたけれど、最近は「結婚というのはそれぞれに与えられた時がある」と信じるようになったという。「ただ当分の間は(恋人のいない)夏休みがいいです」と強調する。

 芸能人と結婚する可能性についても否定しなかった。「短所が多いんです。多くの人に注目される職業なので、自分でも気がつかないうちに誰かを意識するような行動を取ってしまうというか…わたしは自分の恋人がそういう態度を取るのはいやですね。ダメになったときの傷も大きいと思うし。でも現実的に出会える人の幅がとてもせまいので、(この業界では)仕方ないという面もあります」

 チェ・ガンヒお勧めのデートスポットが知りたくなった。「橋の上で待ち合わせをしたことがありますか。漢江の橋の上で、特に聖水大橋の上で一度待ち合わせをしてみてください。本当に不思議な気分になります。

そこから見える世界は本当に素敵なんです」

チョン・ギョンヒ記者
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