真夏にひんやり、冷蔵庫のような「風穴」 /江原・旌善

 エアコンの風が贅沢に感じられるほど原油価格が上昇した今年の夏。「冷たい風が吹き出す洞窟がある」という噂を聞いて江原道旌善郡に向かった。アイスクリームを買うために立ち寄った商店の主人イ・ボクイムさんに「風穴はどこにありますか」と聞くと、「すぐそこですよ。そんな服装じゃ寒いですよ」という答えが返ってきた。

 「風穴」のある加里王山自然休養林の切符売り場を通り過ぎると、すぐに大きな灰色の洞窟が姿を現した。恐ろしい顔をした「氷洞窟大将軍」と「氷洞窟女将軍」左側の道を10歩ほど入ると、岩の間から白い蒸気と一緒に冷たい風がピューピューと吹き出てくる。岩の隅に設置された温度計は「7度」を示している。

 厚い岩石に包まれている地下の洞窟には日光が入らない。外部の環境の影響をまったく受けないため、季節によって温度が変わる「外部の世界」とは違い、1年中一定の温度を維持している。韓国洞窟研究所のキム・リョン副所長は、「洞窟内部の気温はその地域の1年間の平均気温と同じ程度。洞窟の中の温度は一定だが、夏になると外が暑いためさらに涼しく感じられ、冬には逆に暖かく感じられる」と説明した。地下の洞窟に穴が開き、一部が外につながると、気温差により内部の空気が外に吹き出す「風穴」ができるという。


 旌善郡施設管理公団のキム・ウンギョンさんは「洞窟の入り口(海抜550メートル)と出口(海抜400メートル)が別々にあるため、洞窟の中の空気が吹き出てくる。夏には冷たい空気が上から下に、冬には反対に暖かい空気が上に吹き上がる」と説明した。ブルブル震えながら洞窟を抜け出した瞬間、暖かい太陽の光とうっそうと生い茂る木々、辺りを駆け回るリスが「夏の世界」への帰還を歓迎してくれるだろう。

 モノレールは午前8時53分から午後5時7分まで、約15分間隔で運行されている。旌善郡施設管理公団は7月21日‐8月25日の午後7時‐11時に「洞窟恐怖体験」を実施している。30分間隔で出発するモノレールに約40人ずつ乗り、入り口まで上った後、5‐6人単位のチームを組み、5分間隔で洞窟の中に入る。「歴史の瞬間」「童話の国」区域の照明をすべて消し、小さな懐中電灯だけを頼りに歩いていくが、「狼男」が悲鳴を上げたり、幽霊の格好をした職員が突然足首をつかんだりする。チームごとに懐中電灯を一つしか配られないため、前がまったく見えない。インターネットで予約し忘れた人は、当日午後6時30分から販売されるチケット(250枚)を購入すれば恐怖体験に参加できる。

 洞窟観覧料金は大人5000ウォン(約520円)、青少年3500ウォン(約370円)、子ども2000ウォン(約210円)。モノレールの運賃はそれぞれ2000ウォン、1500ウォン(約160円)、1000ウォン(約105円)。洞窟恐怖体験(モノレールを含む)はそれぞれ1万2000ウォン(約1270円)、1万ウォン(約1060円)、5000ウォン。観覧時間は約1時間。

キム・シニョン記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース