「最近の10代の中にはソテジを知らない人がいると聞いたとき、不思議な感じがした。かつては10代の偶像だったのに、今や10代の若者たちが僕を知らないなんて…それだけ時が過ぎたということだろう」
8thアルバムをリリースし、4年半ぶりに帰ってきたソテジが3日、ソウル市江南区三成洞のグランド・インターコンチネンタル・ホテルで記者会見を開いた。ソテジは自らが作った長い空白と、過ぎ去った時の流れを実感しているかのようだった。1日夜に行ったゲリラコンサートに集まった約5000人のファンについても、「再びファンの前に立ってみたら、ワクワクすると同時にどこかぎこちなかった」と話した。
空白期間のうち約2年間は旅を、残りの2年間は音楽活動をしながら過ごした。「知らない人たちにじっと見つめられるのはまだ照れくさい」というほど内気な性格のため、旅行は主に韓国人がほとんどいない奥地に行くという。チリのムーン・バレーが一番印象深かったと話すソテジは、「リュックを背負って旅している途中に死ぬのが夢」と話す。今回のアルバム『Seotaiji 8th Atomos Part Moai』のタイトル曲『Moai』は、チリのイースター島の巨大なモアイ像をモチーフにした。イースター島には歌を作った後、ミュージックビデオを撮影するために初めて訪れたという。
「旅をしながら感じた自然の神秘と超自然への好奇心をアルバムに収めた」というソテジは、今回のアルバムのジャンルを「ネイチャー・パウンド」と説明した。自然という意味の「ネイチャー」に、(リズム、楽器構成などを)「細かく分ける」という意味の「パウンド」をミックスさせた言葉で、ソテジが作り出した新しいジャンルだ。
アルバムのマーケティングの一環として、忠清南道保寧にミステリーサークル、ソウル市江南区三成洞のCOEXモールに未確認飛行物体(UFO)の模型が設置された。これについては「オーバーな神秘主義」との声も挙がっているが、ソテジは「僕が感じることをファンと共有したいだけ」と説明した。「以前のアルバムに比べ実験性は低い」という評価については、「もう少し聞いてみてから評価してほしい。これまでのどのアルバムより実験性は高いと自負している」と語った。主に海外で制作したこれまでのアルバムとは違い、ソテジが自ら作ったスタジオで、韓国の技術、韓国のミュージシャンと一緒に制作したことが、最も大きな「実験」だという。ソテジは「家や田舎の空き家でもレコーディングをし、気に入らなければ消してしまったため、レコーディングだけで少なくとも1年以上かかった」と話す。
「自然に帰ろう」(『Moai』)「養子縁組されたロボット」(『ヒューマン・ドリーム』)「巨大な実験室に変わってしまった地球」(『T'ikT'ak』)…。超自然的で空想科学的なものをモチーフにしたアルバムを引っさげカムバックしたソテジ。『教室イデア』『渤海を夢見て』など、「ソテジワアイドゥル」時代に歌った社会性の濃い歌にはもう興味がなくなってしまったのだろうか。「独島(日本名竹島)や米国産牛肉などの問題が取りざたされているが、それと関連した曲は作らないのか」という質問には、「以前は7‐8カ月で新しいアルバムをリリースしていたが、最近は作詞をしてから曲が完成するまで2年ほどかかる。だからアルバムが完成したときにはもう一昔前のテーマになってしまい、アルバムがリリースできない…ということになってしまうので」と笑った。