暴行疑惑:ソン・イルグクさんの記者殴打説、目撃証言出ず


 俳優ソン・イルグクさんに暴力を振るわれたと虚偽の告発を行ったとして誣告(ぶこく)罪(虚偽告訴罪)で起訴された女性フリー記者、キム・スンヒ被告に対する第5回公判が10日、ソウル中央地裁で開かれた。当時取材に同行した写真記者が証人として出廷したが、キム被告が暴力を受ける場面を目撃したとの明確な証言は出なかった。

 同日の公判は名誉棄損罪で追起訴されたキム被告の初公判も兼ねる形で開かれた。公判では事件が起きた1月17日にキム被告と現場に同行した写真記者が証人として尋問を受けた。

 証人は当時の状況について、キム被告が早歩きのソンさんを後ろから捕まえたが、被告がソンさんに殴られた場面は見ていないと語った。

 証人は「最初5-6メートル離れた道路にいたが、(ソンさんが住む)マンションの階段下でキム被告と別の写真記者に付きまとわれたソンさんが険しい表情で振り返るのを見て、『思ったよりも激しい反応だ』と感じ、車に戻ってカメラを取り出した。再び彼らの様子をうかがうと、ソンさんとキム被告が玄関のドアをつかんで言い争っていたが、カメラの撮影用メモリーカードがなく写真は撮れなかった」と語った。

 その上で、証人は「ソンさんと被告が体を押したり、引っ張ったりしているのは確かに目撃したが、被告がソンさんのどこをつかんでいたのかは記憶にない」と語った。その後、被告が「下の歯4本がぐらついて痛い」と訴えるので、その部位を見たとも証言した。ただ、検事が「それほどの傷なのに男性が2人もいながら誰も病院まで同行しなかったのか」と問いかけると、証人は「何か用事があったような気がする」とだけ答えた。

 また、証人は自身が署名した陳述書について、「被告が持参したので一読してサインした」と述べた。その上で、検事が「ソンさんが(自宅に)入ろうとするのを被告が阻んだ」と書かれている部分が証言と異なるのではないかと追及すると、「大した事件ではないと思った」「内容を誤解した」などと答弁した。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース