『太王四神記』(MBC)のNHK放送を記念し日本を訪問したペ・ヨンジュンが連日話題になっている。ペ・ヨンジュンが姿を現す場所には常に「ヨン様」と連呼するファンが集まり、日本のメディアはペ・ヨンジュンの一挙一動を報じる取材合戦を繰り広げている。NHKの関係者も「極めて珍しい現象」と驚いた日本のメディアやファンのこのような反応は、ペ・ヨンジュンが日本で韓流スターとしてある程度境地(?)に達したことを物語っている。
ペ・ヨンジュンの日本での人気を実証するもう一つの証拠はCMだ。2006年には所得税だけで100億ウォン(約10億4000万円)近い税金を納めたペ・ヨンジュンは当時、韓国と日本で撮影した映画と広告を合わせ、約69億ウォン(約7億2000万円)の収入を得たとされている。
米紙ロサンゼルス・タイムズが「日本のCM王」と報じたこともあるペ・ヨンジュン。ペ・ヨンジュンのCMモデルとしての魅力は何か。CMの中のペ・ヨンジュンを類型別にまとめてみた。
◆類型1=成功した男、ペ・ヨンジュン
舞台はファッションショーの会場。隣に座っていたユ・ジェソクがペ・ヨンジュンにこう話しかける。「韓国でも海外でも大成功されましたね。これまで集めた資産はどんな風に管理されてますか」。最近、韓国で放送されている新韓金融グループのCMのワンシーンだ。
韓国はもちろん、日本でも人気を集め、日本女性たちの偶像ともいわれるペ・ヨンジュンは、CMで「成功した男」の象徴として描かれるケースが多い。07年に放送された慶南アナスビル(HONORSVILLE)(マンション)のCMでも「すべてを手に入れた男」としてペ・ヨンジュンを出演させ、そんなペ・ヨンジュンが本当に手に入れたいものはこのマンションだ、というメッセージを伝えた。
これらのCMは「成功した男」の金融商品や家ということで、商品にリッチなイメージを持たせる効果を上げている。
◆類型2=優しい男、ペ・ヨンジュン
日本女性がペ・ヨンジュンの最も大きな魅力としているのが、『冬のソナタ』で見せた優しさだ。そのため日本ではペ・ヨンジュンのこのような優しいイメージを極大化したCMが最も多い。
その代表的な例が、05年に日本で発売された日本コカ・コーラの「七色亜茶」。既に飽和状態だった日本の飲料市場に参入するため、コカ・コーラは優しく清潔なイメージのペ・ヨンジュンをCMモデルに起用し、その年の上半期、新製品の販売高が業界5位を記録した。
日本セコムはペ・ヨンジュンの家庭的で繊細なイメージを強調し、「あなたを守りたい」というコピーで視聴者にアピールした。韓国ではインスタントコーヒー「テイスタス・チョイス(Taster's Choice)」が、ペ・ヨンジュンの温かく優しいイメージを前面に出したCMを放送している。
◆類型3=洗練された男、ペ・ヨンジュン
人気があるにもかかわらず、特別なスキャンダルなしに成功街道を走り続けるペ・ヨンジュンは、自己管理が徹底していることでも有名だ。CM業界ではそんなペ・ヨンジュンのイメージを利用し、洗練されていてダンディーなイメージのCMを制作している。
「新しい世の中を動かす」というコンセプトで最近韓国で放送され始めたモバイル・マルチメディア・ブランド「viliv」の関係者は、「自己管理の徹底しているペ・ヨンジュンのイメージが自社のブランドイメージとぴったりだと判断し、モデルに起用した」と説明している。
◆類型4=韓流スター、ペ・ヨンジュン
ペ・ヨンジュンは代表的な韓流スターとして、日本人対し韓国に関心を持たせるきっかけを作った。このような点を利用し、韓国とペ・ヨンジュンをコンセプトにしたCMが日本で人気を集めた。
04年、日本の広告グランプリで1位を獲得した「オロナミンC」の広告がその代表的な例だ。日本の人気女優、上戸彩とペ・ヨンジュンが共演したこのCMは、上戸彩がペ・ヨンジュンに会うために韓国を訪れるという内容だった。上戸彩が韓国の市場で店の女性たちと話をし、韓国語でCMソングを歌うなど、韓国とペ・ヨンジュンが人気を集めた当時のトレンドをすべて取り入れ、好評を集めた。
ロッテのアーモンドチョコレートのCMも同じコンセプトの広告で、日本の人気グループSMAPの中居正広とペ・ヨンジュンが共演し話題を集めた。同じ商品の別のシリーズでは、ペ・ヨンジュンがCMのセリフをすべて韓国語で話し、日本語字幕で放送するという新たな試みのものもあった。
◆類型5=冬のソナタのペ・ヨンジュン
ドラマ『冬のソナタ』(KBS第2)はペ・ヨンジュンを語る上で欠かせない作品だ。現代自動車はこのような点に目をつけ、同ドラマのワンシーンをソナタのCMの中でそのまま利用した。ペ・ヨンジュンが並木道を車で通り過ぎようとすると、ドラマの中の主人公のような少年と少女が自転車に乗って側を通り過ぎ、『冬のソナタ』の音楽が流れるという内容。
ドラマのタイトル『冬のソナタ』と車の名前「ソナタ」をかけたこのCMは、日本でも韓国車「ソナタ」の知名度を確実に引き上げたと評価されている。
ペ・ヨンジュンがこのようなさまざまな魅力で韓国と日本の広告市場で人気を集め続けているのは、目に見えるはっきりしたCM効果のため。実際、日本ではペ・ヨンジュンがCMに出演したメガネ会社が、CM放送後、業界4位から2位に急浮上するという成果を上げている。