秋山成勲、韓国人女性のハートをキャッチ(下)

 ところが、「ヒザ打ち道士」への出演がその殻を破る形になった。イム・ジョンア・プロデューサーは「秋山成勲さんは当初、こちら側のオファーに出演を渋っていた。過度に愛国主義的な方向ではなく、“悲運のファイター”でもない青年・秋山成勲を見せる、という条件で説得した」と話す。同プロデューサーは収録前、日本と韓国で20分ほど秋山にインタビューしたという。秋山がテレビに出演したのは、「ヒザ打ち道士」の他に、KBS第2テレビ『TVは愛を乗せて』とMBC『ネバーエンディング・ストーリー』のみ。そのうち繰り返し再放送されている「ヒザ打ち道士」が人気爆発に大きく貢献しているのだ。

 女性を夢中にさせているのは、妙な「こぎれいさ」のない男らしさ。秋山は「ヒザ打ち道士」出演時、試合で折った鼻の骨が完治していない状態だった。秋山の鼻筋には傷あとがあり、頼もしく男っぽい発言はその魅力をさらに輝かせた。

 それ以来、インターネットで秋山に関する「悲しい歴史」や一挙手一投足、ファッションまで事細かく記事になり、秋山成勲は「人気者」としての道を歩み始めた。強烈なイメージに秋山の人生ストーリーが重なったのだ。

 秋山は日本で名立たる大物格闘家だ。しかし、実は最近急増している熱狂的なファンは、秋山の格闘技の試合や実力にはあまり関心がない。つまり、男性がグラビアアイドルを見るように、女性は秋山を「欲望の対象」として消費しているのだ。秋山が出演したピングレ社「バナナ牛乳」のCMを企画した「クリエイティブ・エア」のチェ・サンハク次長は、「こわもての秋山が純朴な笑みを浮かべると強い印象を残す。韓国では見つけることができないタイプのCMイメージキャラクターで、その価値は高い」と話している。

チェ・スンヒョン記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース