チャン・ヒョク「オジュンの心開いていくさまを見て」

『不汗党』チャン・ヒョク単独インタビュー(下)


-ドラマの中で、ヨナ(カン・キファ)への「おまえが俺の手に100万W握らせたら、足の裏でも舐める人間だ!」とか「おまえとは財布としてだけ接した」というシーンにぞっとさせられたのですが、そのせりふを言うときの気持ちはどうでしたか

 「その質問、待っていました。聞かれたら言いたいことが山ほど…でも簡単に話します(笑)。とても、悪い意図で発せられたせりふですよね。非常に冷酷なことを言っていて、相手をただの対象として見ていて、人間として見ていない。それを描いているのですが、彼の心の中のしこりが表に出てきたものなのです。彼女に向かって発せられた言葉は、自分の姉に向かって言いたいことが出てきたもの。実際には、姉には心を閉ざしていて本音を言えない、そんなオジュンを表しているのです。ドラマ後半では、だんだん本音が言えるようになり、変わっていく姿を対比して見てもらえれば」

-ドラマで苦労した点は。

 「ドラマの難しかった点は、はじめはウイットがあってコミカルな感じですが、後半になるとシリアスで悲しい展開になっていきます。悲しい部分を際立たせるための演出意図だったと思いますが、役者は多様な役作りをしなければならず、多少戸惑ったこともあります」



-相手役のイ・ダヘさんとは初共演ですが、どうでしたか。

 「とても感情の豊かな女優さんです。こちらで投げかけたものが、それ以上で帰ってくる。とても柔軟な感性のある、あの年にしては演技のうまい女優さんだと思いました」

チャン・ヒョクはとても冗舌だ。そして演技に、自分の作品に真摯(しんし)に取り組み、愛情を深く注いでいる。俳優となって10年。ベテランの域に入ろうとしているが「慣れきらないようにしようと心がけてきました。このドラマを通じても感じたことですが、1日1日を忠実に生きようと、より強く意識するようになりました」とシリアスに鋭い眼差しで語る。

かと思えば、「日本では、皆さんがおいしいものを用意してくださるのですが、ラーメンが好きで、必ずラーメンが食べたいとお願いするんです」などとおちゃめな一面も見せる。最近はヒゲの姿が多く男っぽくセクシーですね、と言うと「ヒゲをそると若く見えるんですよ。17歳ぐらいに(笑)」などと大口を開けて楽しそうに笑う。

表情も感性も実に豊かな人物、チャン・ヒョクの俳優としての魅力は尽きない。次回作の映画、ドラマも決まっているといい、ひっぱりだこなのも当然なのだろう。これからもますます楽しみだ。

チャン・ヒョク、イ・ダヘ主演の『不汗党』は、Mnetで5月30日から毎週金曜午後9時から放送される。



東京=野崎友子通信員

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