チャン・ヒョク「オジュンの悲しみを感じた」

『不汗党』チャン・ヒョク単独インタビュー(上)


 今年初め、韓国SBSで放送され話題となったドラマ『不汗党』が、5月30日からMnetで日本初放送されることになった。韓国語で「人を苦しめ、恥知らずな行動をとる者の集まり」という意味を持つタイトルのドラマで、まさにその「不汗党」を演じたチャン・ヒョクに話を聞いた。

-『不汗党』というタイトル、キャラをどう思いましたか。

 「オジュン(役名)にいい人、悪い人という区別は単純につけられないと思うんですよ。オジュンは、置かれた境遇によって仕方なくそのようになったのです。彼の持つ悲しみを感じることができました。良かれと思ってやったことが、他の人には良くないことになっている。やむなくそのようになってしまった、ということが理解できたんです。」

-女たらしなのに、時にはかなげな様子を見せるところがファンにはたまらないと評判ですが。

 「それはうれしいです。そんな表情がなければただの悪い人なので(笑)。そのところを視聴者が見てくれて、共感してくれたとすれば、自分の演技、オジュンの心を理解してくれたということなので、とてもうれしいですね。オジュンの内面のしこりのようなものが現れた結果だと思います」


-チャン・ヒョクさんは『不汗党』をどういうドラマだと思いますか。

 「最初に、シノプシスを読んでこの作品をおもしろいと思ったところは、軽薄でどうしようもない人間で、自分を隠して生きているのですが、あることをきっかけに一人の女性に出会い、その人を愛することによって、自分を取り戻し、限られた時間を大切に生きることにするという話なのですが、そんなオジュンが変化していくことに魅力を感じました」

 「このドラマと関係ないのですが、村上春樹の『国境の南、太陽の西』という本を思い出しました。この小説は家族を捨てて好きだった女性のもとに行きたかった主人公が、理想の世界を選択するのでなく結局現実に戻ってくる、という話で、選択の結果は違いましたが、描かれている過程に『不汗党』との共通点を感じたんです」

-村上春樹さんがお好きなんですか。

 「20代前半から日本の小説を読んでいますが、好きです。村上春樹さんの『自分の作品を通じて読者の生き方や考え方を動かすことができれば自分は満足』というインタビュー記事を読んだことがあるのですが、共感しました。自分は俳優として、キャラクターに出会って表現していくわけですが、視聴者の方がそれを見て、共感して心を動かすことがあればそれほど幸せなことはないです」



東京=野崎友子通信員

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