知らない街に出かけたときはタクシーの運転手たちが通う食堂に行けばまず間違いないと言われている。市内のあちこちを走り回るタクシー運転手の口に合えば「平均以上」の味に違いない、という期待感があるからだろう。ソウル市道峰区放鶴3洞にあるT運輸のタクシー運転手50人に「よく行く食堂」はどこか聞いてみた。一番人気があったのは「サンダリ運転手食堂」のように有名なところだった。今回は人気店のうち、比較的知られていない4店を紹介しよう。
◆ 松坡区三田洞「トクタリ・キムチチゲ」
キムチを漬けるツボ「トク」、豚の足の「タリ」から取ったという珍しい食堂の名前が印象的。メニューの「トクタリ・キムチチゲ」(4500ウォン=約470円)は濃厚で刺激の強い最近のキムチチゲというよりは、田舎の家庭料理のような薄味のスープが特徴。
長細く切ったキムチと豚肉をたっぷり入れて煮込んでいる。一人で食事をしている人が多いため、連れがいなくても安心して入れるが、混んでいるときは相席になる。テーブルごとに置かれている豆モヤシのナムルをチゲにたっぷり入れて食べると、さらにさっぱりした味わいになる。
◆江南区大峙洞「ヨンドン・スナックカー」
ロッテデパート江南店の向かい側にバスを改造して作った移動式食堂「ヨンドン・スナックカー」がある。バスの形をしているのも変わっているが、「タクシー会社ではないか」と思うほど、駐車場はいつもタクシーで一杯だ。
タクシー運転手たちの一番のお勧めは蒸しスケトウダラ(4500ウォン)。スケトウダラに薬味がたっぷりのっており、ご飯が進む。バスの隣にはプレハブの食堂が隣接している。キムチやその他のおかずはプレハブの建物の方にビュッフェ式で用意されている。24時間営業。定休日不定。ハンティ駅7番出口。
◆麻浦区大興洞「プンニョン運転手食堂」
西江大学後門近くの地下鉄6号線大興駅周辺には運転手御用達の食堂がたくさんある。このうち「プンニョン運転手食堂」は広い店内と清潔なインテリアで人気の店。スンドゥブ(絹ごし豆腐のチゲ)、キムチチゲ、トンカツ、マグロ丼など、メニューが多いのも魅力の一つ。
大きなステンレスの食器にマグロの刺身とキャベツがのっているマグロ丼は、たっぷりのボリュームで人気。日替わりのおかずはセルフサービスで、好きなだけ食べることができる。すべてのメニューは4900ウォン(約510円)。24時間営業で年中無休。
◆蘆原区上溪洞「故郷マウル」
団地の中にあるため人目にはつかないが、噂を聞いてやって来るタクシー運転手で込み合う店。たっぷり肉がついた豚のスペアリブ(一人前8000ウォン=約830円)を外に設置された炭で一度焼いた後、テーブルの上にある石板の上で焼いて食べる。
最初はつながっているスペアリブを一つ一つハサミで切り、食べやすい大きさにしてから手づかみで食べる。肉汁が香ばしく広がり、柔らかい肉が口の中でとろけるようだ。口直しがほしいときはスペアリブのすいとん(一人前8000ウォン)がお勧め。上渓洞住宅公社マンション3団地310洞商店街の2階(駐車は商店街の建物の地下に)。午後5時‐午前1時まで。年中無休。