昨年、某ケーブルチャンネルが、ある就職ポータルサイトの資料を引用しトップスターたちの年俸を発表して注目を集めた。これによると、歌手BoAは400億ウォン(約40億円)=2005年基準=、ペ・ヨンジュン329億ウォン(約32億9000万円)=07年基準=、チャン・ドンゴン67億ウォン(約6億7000万円)=05年基準=、イ・ヒョリ30億ウォン(約3億円)=07年基準=など、巨額の収入を手にしていた。
このようにスターたちの「マネーパワー」が強くなるにつれ、自らマネージメント会社を設立するスターが増えてきた。
代表的なケースがペ・ヨンジュンのBOFだ。大株主のペ・ヨンジュンは迂回上場(正常な企業公開をせず、合併や株式の交換などによってコスダック〈OSDAQ〉上場企業の株式を保有し、上場の効果を得るという方法)により、BOFをコスダック上場企業のキーイーストにまで育て上げた。BOFはペ・ヨンジュンだけにとどまることなく、ソ・ジソブ、イ・ナヨン、チェ・ガンヒなどのマネージメントも行うほか、イ・ジア、ホ・イジェといった大型新人の発掘により、中堅マネージメント会社として確固たる地位を築いている。
今年末、映画 『ランドリー・ウォリアー(LAUNDRY WARRIOR)』でハリウッドにデビューするチャン・ドンゴンも、スターMエンターテインメント(以下スターM)の大株主だ。スターMは最近、ウェルメイド・エンターテインメント、オラクル・エンターテインメントなどとの合併により、ヒョンビン、シン・ミナ、コン・ヒョンジン、イ・ハナなど既存メンバーに加え、ハ・ジウォン、イム・チャンジョン、リュ・スンボム、キム・ミニ、キム・ジェドン、チ・ソクチン、巨人のイ・スンヨプらを率いる大型マネージメント会社に成長した。
イ・ビョンホンは自分の名前を冠したBHエンターテインメントを設立し、パク・シニャンもサイダースHQと決別した後、シナジー・インターナショナルという会社を設立している。
パク・ジニョンから独立したRainも昨年セイテックの有償増資に参加、大株主になった後、ジェイトゥーン・エンターテインメントを設立し、チョン・ジュノ、キム・サムジュン、チョン・ミソンらが所属するチュモニ・エンターテインメントの実質的な代表となった。
スターたちのこのような一人立ちが増えている理由は、なんといっても莫大(ばくだい)な収入のため。実際に、オーナーになった芸能人のほとんどが韓流スターかトップクラスの俳優たちだ。また、自分自身で長期的な計画を立て、さまざまな分野で安定的に活動できるという点も魅力的な要素だ。
しかしこのような「一人創業」には盲点もある。最近、スターMの元代表ホン某氏が100億ウォン(約10億円)を超える巨額を横領した疑いで起訴された。チャン・ドンゴンのマネージャーだったホン氏は、全幅的な信頼の下で代表職を務めていたが、結果的に裏切り行為を働いたことになる。芸能界の関係者らは、「芸能人は経営専門家ではないため、雇用する人間に裏切られる可能性もあり、その被害はとてつもなく大きい」と指摘した。