梅の花で白く染まる光陽の「梅村」(上)

 3月中旬。日照量が全国で最も多いとされる全羅南道光陽では満開の梅とともに春のフェスティバルが行われている。蟾津江沿いを走る国道861号線や光陽梅村周辺では白く美しいつぼみが我先にと膨らみ、甘い香りを漂わせている。

 例年より1週間ほど遅く訪れた花便りだが、この花便りは人々の心を一瞬で春色に塗り替えてしまう。梅は目と鼻はもちろん、「その香りが聞こえる」と言われるほど、人々を酔わせる格調高い花でもある。暖かい日差しが降り注ぐ春の日、蟾津江沿いの満開の梅を見る。これほど素敵な春のピクニックはないだろう。

◆ 蟾津江の流れに沿って広がる白い天国「梅村」 

 巨文島、梧桐島など韓国の島々をツバキの花が鮮やかなピンク色に染める春の足取りは、3月になると智異山の山すそを流れる蟾津江沿いにまで北上する。最初の作品は梅だ。可愛らしい白い花びらと甘い香りで人々を魅了する梅。ほかの花が冬眠から目覚める前に咲き始める、清楚で美しい花だ。

 朝日で金色に輝く蟾津江の流れに沿って光陽方向に下っていくと、一面梅の花の小さな田舎の村、全羅南道光陽市多鴨面道士里の蟾津村がある。この村こそ別名「梅村」と呼ばれる所だ。今年の春、この村の梅は3月初旬からつぼみを膨らませ始めた。

 村のあちこちに梅が咲き乱れ、1枚の絵のような景色が広がる。蟾津江沿いの村では最も美しい場所といえるだろう。

 「梅村」という名でよく知られているこの地は、1920年代から梅の木を植え始め、今では全国一の梅の名所となった。道士里で最も有名な梅の名所は12万坪の広さを誇る青梅農園。農園というよりは梅公園といえるほど、四季の景色が美しいところでもある。標識のある入り口から、厳しい寒さに耐えてきた青梅、白梅、紅梅が、我先にとつぼみを膨らませている。

 梅の香りに包まれながら美しい花々を観賞していると、その堂々として清楚な美しさに誰もが詩人になる。

キム・ヒョンウ記者
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