鮮度が命、サバの刺身をソウルで

◆ソウル内鉢山洞「済州魚籃」

 韓国人が1番好きな魚はサバだ。ほとんどすべての世論調査でタチウオとイシモチを抑え1位に選ばれている。「海の麦」と呼ばれているほど、栄養たっぷりで美味しい上に値段まで安いという、庶民にとってありがたい魚だ。しかしサバは「生き腐り」と呼ばれるほど腐りやすい。アミノ酸の一種であるスティディンという成分が多く含まれており、酸素と結合するとヒスタミンに変化し急速に腐敗する。このため港の近くでしかサバの刺身を食べることはできなかった。

 しかし最近はソウルでも新鮮なサバの刺身を味わうことができる。サバに鍼を刺し、エラで呼吸だけをする仮眠状態にし、生存期間を4日まで延ばすことができるようになったからだ。このためサバの刺身を提供する店が増えたが、ソウル江西区内鉢山洞の「 済州魚籃」はこの方法の開発初期、2004年からサバの刺身を出している元祖。


 口の中でとろけるように柔らかく、コクのあるサバの刺身が1皿5万5000ウォン(約6580円)。大人4‐5人で食べられる量だ。醤油にお酢、数種の香料を加えたソースがサバの香ばしい味わいだけを生かし、脂っこさを消している。サバは店に着いてから1日だけしか販売しない。注文する客が多いせいもあるが、鮮度維持のためだ。

 この店ではサバの刺身のほか、海鮮トゥッペギ(7000ウォン=約840円)がお勧め。タコ、サザエ、アサリを味噌で煮たスープで、済州島料理ということもあり、薄味で海産物の味わいが生きている。甘辛く酸っぱい水刺身(8000ウォン=約960円)も美味。ランチにはサンマの塩焼き、ワカメのスープがついた煮サバ定食(6000ウォン=約720円)、野菜で包んで食べる済州島産豚肉定食(6000ウォン)が人気。一人1万8000ウォン(約2150円)のランチ刺身定食(注文は二人分以上)はボリュームたっぷり。

 店の名前「魚籃」は「魚を入れるかご」という意味。広く清潔なホールには18のテーブル席がある。個室も4人用が4部屋、6人用が1部屋、8人用が3部屋あるため、家族連れにもお勧め。間の仕切りを取れば最大20人まで一緒に食事ができる。地下鉄5号線の鉢山駅5番出口を出てすぐの2階。裏の1階と地下に30台まで駐車が可能。休日は旧正月と旧盆それぞれ1日だけ。

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