【インタビュー】ソン・イェジン「女優の体も演技の一つ」


 ソン・イェジンがファンのもとに帰って来た。来年1月10日公開の映画『無防備都市』でスリ組織のリーダー、「ペク・チャンミ」を演じている。作品出演はドラマ『恋愛時代』以来1年6カ月ぶりだ。

 出演を予定していた作品の制作が次々とストップし、不本意ながら長いオフを過ごした。そうしたときに選んだ作品だけに、ソン・イェジンは素の自分とは180度違う女性を演じようと考えた。ムチの代わりにカミソリを振り回し、鋭い目だけで男をひざまずかせ、欲望に忠実に生きる女だ。

 イメチェンに成功したかどうかはまだ分からないが、変身するためあらゆる努力を惜しまなかったソン・イェジンにインタビューした。

―長いオフの末、『無防備都市』出演を決めたが。

 「作品との出会いというのは本当に不思議です。『無防備都市』はあまりにも役の個性が強くて、わたしの性格とは正反対の人物だから、はじめは共感が持てませんでした。それで断りました。でも、もう一度台本を読んだら、彼女の痛みが見えてきて。やり方や手段を選ばない。こんな女にどうしてなったのかが分かったのです」


―悪女を演じるのは簡単ではなかった?

 「セクシーで男を誘惑ばかりしている女なら、はじめからやらなかったと思います。もちろん、最初から最後まで男を誘惑できるだけのセクシーさがなければなりませんが、一瞬でも人間的な表情を見せる必要がありました。わたし自身と全く違う女の姿を見せたかったけれども、だからこそ難しかったです」

―実際の年齢より大人のムードが漂っている。(共演の)キム・ミョンミンとは10歳差だが、その差が感じられない。

 「選択の問題だと思います。より深みがあり、悩むことができる作品に出たいと思っています。わたしは自分をいじめるのが好きだから。それで出演作もそういう物を選ぶようになって、その結果、年齢が上に見えるのでしょう」

―同じ年ごろの女優より露出への抵抗感も少ないようだ。今回の作品でもタトゥーの入ったウエストを見せ、キム・ミョンミンを誘惑するシーンがあるが。

 「女優にとって、ヌードに対する恐怖感がないというのはウソでしょう。誰でも悩むのは同じ。実はこれまで、あれほど大胆なベッドシーンがあった作品はありませんでした。今もそんな悩みをずっと抱えています。女優の体も一つの演技だと思います。それで作品がわたしの体を必要とするなら、わたしが選択できるかどうか考えます。でも、ほかの人はただその事実だけでとても簡単に話すような気がして残念な気持ちもあります」

―次回作は映画『妻が結婚した』(仮題)に決まった。二人の男性と結婚する女性の物語だ。

 「“ソン・イェジンがあんなことするんだって。いやぁ、キツいなぁ。ちょっと違う感じじゃないか”という反応が好き。わたしの気持ちが楽だったら、かえって心配になります。自分をいじめたい。だから『無防備都市』の出演も決めました。わたしの姿を見て、お客さんが少しでも違和感なく、ペク・チャンミを理解してくれればと思います。心の底から」

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