やっぱりヨン様! 日本に新たな韓流ブーム

『太王四神記』10館で上映、初日に4200人鑑賞


 韓国人がお茶の間で「タダ」で見ていたテレビドラマを、日本人はチケットを買い、わざわざ映画館まで足を運んで鑑賞する。金鍾学(キム・ジョンハク)演出、ペ・ヨンジュン主演の全24話に及ぶファンタジー大作時代劇『太王四神記』のことだ。4日午前、「新宿バルト9」(東京都新宿区)。『太王四神記』が上映されているこの映画館の客席約500席は20代から60代の日本人女性で満員だった。

 「わがセオよ…」。大きなスクリーンの中で白髪の「桓雄(ファヌン)」を演じるペ・ヨンジュンが愛する女性セオ(イ・ジア)の心臓に矢を放つと、客席のあちこちから「ハァ…」と低いため息が漏れる。ハンカチで涙をぬぐう中年女性の姿も。韓国ドラマを1話ずつ日本の映画館で上映するという、「韓流」の新たな試みが好調なスタートを切った。

 この日、日本のファン4200人余りが1200円を支払い、映画館でドラマを見た。全24話が見られる回数券は2万4000円もするが、すでに1500セット以上売れている。3日からはNHKのBSハイビジョンでも放映されており、NHK地上波でも来年から「無料」で見られるのだが、「それまで待てない」というのがファンの気持ちだ。

 報道陣や観客の反応は熱かった。約70分間の第1話が上映されている間、「ヨン様」の登場シーンがあまり多くないにもかかわらず、全員が壮大なスケールの画面とコンピューターグラフィックス(CG)を堪能した。上映が終わってからもエンディングロールが映し出されている間、観客たちは惜しみない拍手を贈った。


 広告代理店に勤めているマツクボ・コウキさん(37)は「日本のドラマでも映画館で上映されたことは1度もないと思う。こうした試み自体、驚くべきこと。ペ・ヨンジュンに尽くす気持ちが強いファンがいるから、『太王四神記』上映館はさらに拡大するだろう」と語った。この日、舞台あいさつに訪れたヨン・ホゲ役のユン・テヨンはサイン会を行ったが、女性ファン約200人が殺到した。ユン・テヨンは「わたしを出迎えるため空港まで来てくださったファンの関心の高さに恐縮しています」と話している。

 4日、『太王四神記』は日本全国10館で公開され、上映館数は年末までに30館に増える見通しだ。『太王四神記』の共同制作会社で投資配給会社でもあるSSDのキム・ウィジュン代表は「映画館での公開で100億ウォン(約12億円)以上の収入を見込んでいる」と話す。SSDでは『太王四神記』関連商品のマーケティングにも力を入れている。メイキングDVDは15万枚、撮影現場の様子を収録した本は14万部、ドラマにちなんだ香水は10万本売れた。

 この日、取材のため映画館を訪れた日本の女性週刊誌「女性自身」のサワキ・ケイコ記者は「これまでの韓流ファンは30代以上の女性だったが、『太王四神記』を機に10‐20代の中にも韓国ドラマに魅力を感じる人が増えるだろう」と予想している。実際、この日の映画館には若い女性客も多かった。大学生のイケダ・ヨシミさん(23)は「わたしはペ・ヨンジュンのファンではなく韓国映画のファンだが、『太王四神記』の迫力あるCGや音楽に感動した」と話している。

 視聴率30%以上をマーク、大きな反響を呼び韓国で放映されている『太王四神記』は6日のスペシャル版で終了する。

東京=チェ・スンヒョン記者
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