青龍映画賞:和気あいあい、笑顔の授賞式


 全員が笑顔になれた映画の祝典だった。今年の青龍映画賞の最優秀作品賞にはハン・ジェリム監督の『優雅な世界』が輝いた。主演男優賞は同じく『優雅な世界』のソン・ガンホ、主演女優賞は『シークレット・サンシャイン』(原題『密陽』)のチョン・ドヨンが手にした。

 23日、国立劇場(ソウル市中区奨忠洞)でチョン・ジュノとキム・ヘスの司会により始まった第28回青龍映画賞授賞式(キム・ドンホ審査委員長)では、特定の作品が独占してきた例年とは違い、『優雅な世界』『楽しい人生』『極楽島殺人事件』『奇談』の4作品がそれぞれトロフィー二つずつを分けるという、和気あいあいとしたムードに包まれた。

 最優秀作品賞と主演男優賞を獲得した『優雅な世界』は、「暴力団員も結局は守るべき家庭のある一市民」というコンセプトから出発したコメディー。最優秀作品賞の受賞が発表されると、ハン・ジェリム監督は当惑した表情で「こんなにすばらしい賞をいただけることになるとは、まったく想像していなかった」と、俳優やスタッフの功績を称えた。

 主演のソン・ガンホも同作品で俳優人生初の青龍賞受賞となった。ソン・ガンホは同じく主演男優賞にノミネートされたソル・ギョング、ファン・ジョンミン、チュ・ジンモ、キム・サンギョンの名を挙げた後、「彼らと同じ時代に一緒に演じられるのは喜びであり祝福」と称賛の言葉を贈った。

 また『我が心のオルガン』(1999)以来8年ぶりに再び青龍映画賞主演女優賞を受賞したチョン・ドヨンは、「賞をいただこうと思って演じたわけではないが、賞をいただいてとてもうれしい。気恥ずかしいけれども今日は夫の誕生日で…」と感激していた。

 監督賞を受賞した『幸福』のホ・ジノ監督は「撮影中は気づかなかったが、オフを過ごしている今、撮影していたときが一番『幸福』だったと思う」と喜びを語った。

 助演男優賞は『楽しい人生』で一人で暮らしながら妻や子に仕送りする父親役を演じたベテランのキム・サンホ、助演女優賞は『熱血男児』で母親役を熱演した、やはりベテランのナ・ムニに贈られた。長年注目されず、一時映画界を去ったこともあるキム・サンホは「わたしは自分で生活費も稼げないまま生きていくものだと思っていた。すごくいい気分」と跳び上がり、ナ・ムニも右手を挙げ「言葉で言い表せないほど幸せ」と語り、後輩たちから大きな拍手を贈られた。

 キム・ハンミン監督は『極楽島殺人事件』で新人監督賞と脚本賞を受賞、『マイファザー』のダニエル・ヘニーと、『ふたつの顔を持つ僕の彼女』のチョン・リョウォンが新人賞に輝き、初々しく受賞の喜びを語った。『D‐WAR』で観客840万人を動員、韓国映画最多観客賞を受賞したシム・ヒョンレ監督は「これまで100本の映画に出演したり、撮影したりしたが、映画賞に出るのは初めて。とても気分がいい。この栄光をくださったファンの皆さんにまず感謝したい」とあいさつした。

◆そのほかの各賞受賞者

人気スター賞=キム・アジュン、キム・テヒ、チュ・ジンモ、ファン・ジョンミン

ベストドレッサー賞=キム・ユンジン、キム・ハヌル、パク・シヨン、ソン・イェジン、チョン・ドヨン

撮影賞=ユン・ナムジュ(『奇談』)

技術賞=DTI・ETRI(『レストレス-中天-』コンピューターグラフィックス)

照明賞=イム・ジェヨン(『黄真伊』)

美術賞=イ・ミンボク、キム・ユジョン(『奇談』)

音楽賞=イ・ビョンフン、パク・ジュンソク(『楽しい人生』)

チュ・ワンジュン記者

【特集】第28回青龍映画賞

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