PIFF総括<Ⅰ>:規模の拡大速度に運営追いつけず(上)


 4日に開幕した第12回釜山国際映画祭が12日、すべての日程を終えて幕を下ろした。今年の釜山国際映画祭は、例年以上に話題も多く、また失敗も多かった。予期せぬ雨で多くの行事が変更となり、小さな失敗があちこちで発生した。

 このような事態によって、映画祭が実際に収めた成果は影を潜め、まるで雨が漏れるように失敗ばかりが際立って見えてしまった。

第12回釜山国際映画祭が収めた成果と、不十分だった点を整理した。悪天候にもかかわらず、大幅に増えた観客。アジアの映画関係者の連帯がより一層強化される今年の釜山国際映画祭は、台風の影響で屋外での行事が取り消しになり、突然映画上映がキャンセルされるなど、悪い条件に見舞われた。だが観客らは映画の祭典を満喫した。

 9日までに映画祭を訪れ、新しい映画を楽しんだ観客は約18万 4000人。昨年の映画祭で映画を観た観客が計16万 5000人だったことに比べると、悪天候にもかかわらず、劇場を訪れた人ははるかに増加したことがわかる。映画祭側は、11日までに観客が20万人に達すると予測している。

 これは今年から便利な前売りシステムが導入されたうえに、海雲台と南浦洞一帯で行われてきた映画上映が、西面と大淵洞まで拡大したためだ。

また64ヶ国から275作品が招請され、ワールドプレミアが歴代最多の92作品に達することも客足に影響を与えている。

ピーター・グリーナウェイ、ダリウシュ・メールジュイなど、例年よりも多くの巨匠たちが釜山を訪れ、アジア演技者ネットワーク(APAN)がスタートしたため約150人スターたちが開幕式に参加し、釜山国際映画祭を輝かせた。

 釜山国際映画祭の旗印である、アジア映画関係者の連帯も一層強化された。今年スタートしたアジア演技者ネットワークは、初年度から著しい成果を上げている。ムン・グニョン、キム・テヒなどが所属しているNAMOOACTORSと、中国のCHENGTIANグループが協約を結び、相手国で所属する俳優たちが活動する際のマネジメントを代行することになった。

 8億ウォン規模のアジアシネマファンド(ACF)も、アジア映画関係者の育成の一助となった。ACFは単純に制作費を支援するのでなく、映画の制作から進行、そして釜山国際映画祭から上映まで支援するシステムをそろえ、釜山国際映画祭から生まれる世界の映画関係者を育成するのに役立つことが予想される。

 アジア文化技術投資株式会社の設立と映画会社パルコンを設立したことも、釜山国際映画祭の今後の展望を明るいものにした。パルコンは釜山市が支援し、映画祭が最大の株主となる。毎年約40作のアジア映画を輸入・配給する計画だ。

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