鶴巻和哉監督が語る『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』


 個人的には、この作品が釜山国際映画祭のクロージング作品に選ばれたことに驚いた。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』は庵野秀明総監督の個人的な動機からスタートした。主人公は碇シンジという人物だが、シンジが表現するのはとても日本的な感性で、中でも非常に細かい感性を描いている。わたしのほうが聞きたいくらいだ。果たして碇シンジというキャラクターに韓国の皆さんは感情移入して見ることができるのか、自己投影として碇シンジを見られるのか、気になる。韓国で『エヴァ』シリーズが人気だと聞き、とても興味深い。

 10年前の劇場版では結末について論争が相次いだが、おそらく当時の庵野総監督の世界観に基づきあのように描かれたのだろう。10年が経過し、庵野総監督も年を取ったし、社会も変わった。まだきちんとした話は聞いていないが、10年前とは違う結末になるだろう。

 『序』はテレビシリーズ6話までの内容を再構成したものだ。最後に登場する渚カヲルというキャラクターは、テレビシリーズの中盤から登場したが、分析・討論・総合した結果、このキャラは作品全体を通して重要な役割を果たすので序盤に登場させることにした。CG 部分に関しても大変悩んだ末、作業に取りかかった。

崔宝允(チェ・ボユン)記者
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