『コーヒープリンス1号店』が今、大人気の理由とは


 ドラマ『コーヒープリンス1号店』(MBC)に視聴者たちか並々ならぬ関心を示している。

 今月2日に放送が始まった『コーヒープリンス1号店』は、10%台(視聴率調査会社TNSメディアコリア基準)を上回る視聴率でスタートし、5話目の放送で20%台を超えた。この数字は、ドラマに対する視聴者たちの熱い反応を物語っている。

 さらにイ・ユンジョンプロデューサーの感覚的な映像の美しさは、映画を見ているような錯覚さえをも呼び起こし、ドラマに新鮮味を与えている。

◆ユン・ウネ、コン・ユ、イ・ソンギュン…俳優たちの再発見

 ユン・ウネ、コン・ユ、イ・ソンギュンは、このドラマを通じて再発見されたといっても過言ではない。

 制作発表会でユン・ウネは、「『宮‐Love in Palace』でよちよち歩きを始めたが、今回はそれ以上のものを見せなければならない」と悲壮感が漂うまでの覚悟を明らかにした。

 ユン・ウネのこの誓いは現実的なものとなり、ドラマの中で中性的な魅力を一生懸命表現している。語り口や歩き方、表情、身振りに至るまで、あたかも周りでよく見る気さくな「青年」のようだ。

 もしユン・ウネが格好だけ男装をして可愛い子ぶっていたら、現在のような反応を得ることができただろうか。ユン・ウネの変身に対し、視聴者たちは爆発的な反響を寄せている。「こんな演技ができるのはユン・ウネだけだ」という称賛の声まで送られている。

 コン・ユも、この作品で彼ならでは魅力を十分発揮している。冷静だが決して冷淡ではない、そして次第に青年のようなユン・ウネに引かれていく彼の姿に注目し、女性視聴者たちは、ユン・ウネとコン・ユの恋がどのように進展していくのか関心を寄せている。

 イ・ソンギョンは、『コーヒープリンス1号店』を通じて、大衆性を身に付けた。映画やドラマ『白い巨塔』が彼の演技力を認めさせた作品であるとすれば、『コーヒープリンス1号店』は若い女性の間に彼の人気を広めた作品だ。

 そのほかキム・チャンワン、パク・ウォンスク、イ・ハンウィなど、中堅の役者たちの手堅い演技力もドラマの面白さを高めている。


◆女心・男心を満たすラブストーリー

 もしユン・ウネが清純可憐な美女、またはキュートではつらつとした少女役で、スタイリッシュで都会的なチェ・ジョンアンとライバル関係になったとすれば、どうだっただろうか。視聴者の支持を得ることはできなかったと断言することはできないが、既存の作品との差別化は不可能だったことだろう。

 「可愛い男」ユン・ウネに引かれる裕福な家の息子コン・ユ。本当は女性であることを知り、フレッシュな野菜のような“トム・ボーイ”ユン・ウネをある時から気に留めるようになったイ・ソンギュン。そして2人の男の愛情を一身に受けている知的な美女、チェ・ジョンアン。

 彼らの間で繰り広げられる愛の駆け引きは、女性だけでなく男性視聴者たちにも、これまでのラブストーリーとは異なる、まるで漫画を見るような面白さを与えている。

 また、誰でも一度は経験するような「片思い」という要素は、視聴者を感情移入させると同時に、ラブストーリーの流れを一層確実なものとして支える役割を果たしている。

 17日放送分のラストシーンで、コン・ユは徐々にユン・ウネに魅力を感じ、「一度だけ抱いてみたい。一度だけ抱いてみれば、解決しそうな気がする」と、自らの性のアイデンティティーに疑いを持ちながらも、「男装した女」ユン・ウネを抱きしめた。そして「あなたは私を抱くべきでなかった。私が女であるという事実を明かしたくなかったから」というユン・ウネの独白が字幕で流れた。まるで次回を期待させる少女マンガのように、『コーヒープリンス1号店』の今後の展開に注目が集まっている。

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