この夏、韓国ドラマは恋愛ものから社会派へ


 2007年夏、韓国ドラマが「体質改善」に乗り出した。韓国のドラマは、これまで若い男女の恋愛に焦点を当てたラブストーリーやロマンチックコメディー一色だった。最近は恋愛ドラマが徐々に減り、現実に突き当たる壁を描いた社会性の強いテーマを積極的に取り入れたドラマが増えている。さらに、そのような作品が視聴者たちから熱く支持されたことにより、テーマが偏り力を失っていた韓国ドラマ界も、新しい成長への活力を得ることができたという評価もある。

 引き金となったのは、サラ金業界の実情を赤裸々に描き、35%前後の視聴率で人気を得た『銭の戦争』だ。一部ではサラ金業者を美化していることに対する批判も出ているが、このドラマは回を重ねるにつれ、金のために泣いたり笑ったりする人生の紆余曲折を率直に描き出し、共感を得た。ここに『江南ママに追いつけ』と『黄金新婦』が加勢した。『江南ママに追いつけ』は、ソウル江南に住む親たちの独特な教育熱を風刺することによって現実社会に議論を呼び起こし、『黄金新婦』は韓国の男性と国際結婚したベトナム人女性の喜びと悲しみを描き、序盤から関心を集めている。

 『白い巨塔』の脚本を手がけたイ・ギウォン氏は、「視聴者たちは現実を忘れ、ファンタジーの中で癒しを得るためにドラマを見ると考えられてきたが、韓国では似たような恋愛ドラマがこれまで過剰なほど溢れており、もうドラマにファンタジーを期待していないようだ」と分析している。ドラマが現実から目を背けるための「逃避先」でなく、人生に役に立つ情報と指針を得るための「窓口」の役割を果たしているというのだ。

 スターがメインのドラマ作りの慣習が大衆の無関心という壁にぶつかったことで、風変わりな企画の重要性が高まったというのも見逃せない点だ。

 『エアシティー』(チェ・ジウ、イ・ジョンジェ)、『花いちもんめ』(チャ・テヒョン、カン・ヘジョン)、『ムンヒ』(カン・スヨン)、『青い魚』(コ・ソヨン)など、映画でも活躍するトップスターを前面に出したドラマは、このところ視聴者たちに冷たくそっぽを向かれ、苦難の日々を送っている。

 SBSのク・ボングンドラマ局長は、「スター俳優や作家を前面に出したドラマがそれほど良い成績を収めることができない中、最近は初めから企画者らが主導権を握り、話題になるテーマを作品の中に織り込もうと努力している。ドキュメンタリーにもなりそうな固く難しいテーマでも、うまく包み込めば視聴者たちから愛され得るという事実を証明している」と語った。

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