『ありがとうございます』ヒットの功労者はシネ&シン・グ


 MBC水木ミニシリーズドラマ『ありがとうございます』(イ・ギョンヒ脚本、イ・ジェドン演出)が10日で最終回を迎えた。

 放送開始前、ネットユーザー対象のアンケートでは全国ネットの水木ドラマで最も関心が低いだろうと予想されていた『ありがとうございます』。しかし見事にこの予想を裏切り、スタート直後から静かな人気を呼び、これまで視聴率1位の座を守り続けながらお茶の間に心温まる感動をもたらした。

 こうした人気は除隊したばかりの人気俳優チャン・ヒョクと、演技派女優コン・ヒョジンが主演しているから、というのはもちろんだが、何よりも光ったのは役を完璧にこなし演じ切った『ありがとうございます』最年少出演者のソ・シネ(9)と最高齢出演者シン・グ(71)の存在だ。

 二人による「新旧調和」は出演料が高いどんなトップスターよりも意義深いものがある。

 同ドラマの二人の役は曾孫と曾祖父。だが、認知症になりチョコパイなしでは生きていけない子供のような「ミスター・リー」ことイ爺さん(シン・グ)と下手な大人よりも大人びているポム(ソ・シネ)は、肉親というよりはかけがえのない友達のように互いを思いやる。


 「ミスター・リー」は偶然テレビで見かけた、エイズにかかったアフリカの子供達を見て「うちのポムもエイズになった」と言ってしまい、島中の人々がポムのエイズ感染を知るきっかけを作った張本人だ。だがポムはこのことを知りながらも、恨むのではなく「家族だから」と許し、幸せを見出そうとする。

 このように貧しい上に疏外されていながら誰よりも幸せだった二人の愛は、9日の放送で「ミスター・リー」がこの世を去ったことで大きな悲しみとなり、視聴者はこれに涙した。ポムをあれだけ嫌っていたソクヒョンの母(カン・プジャ)は自分の過去の過ちを背負い海に飛び込もうとしたが、これを「ミスター・リー」が救い、代わりに溺れてしまう。結局、ポムと、ポムの実の祖母にあたるソクヒョンの母の愛を結び付けることで「ミスター・リー」のこの世の仕事は果たされたのだ。

 ソ・シネは今回のドラマでトップ子役として注目され、シン・グは始終同じような表情、同じような動きで笑いも涙も誘う見事な演技を見せてくれた。

 完璧な「新旧調和」を見せたソ・シネとシン・グは、『ありがとうございます』をヒットさせた一番の功労者だ。スターに縛られる韓国ドラマの弱点の解決策を見出すすばらしい発見だった。

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