チョン・ドヨン、『密陽』でカンヌの女王になれるか?


 映画『密陽』が1日、ソウル鍾路のソウル劇場で行われた試写会で初めて公開された後、チョン・ドヨンのカンヌ受賞に期待が集まっている。

 1日に行われたこの試写会で、2時間20分の上映の間じゅう、チョン・ドヨンの白熱の演技に客席の評論家と映画関係者は興奮しどうしだった。

 同作は息子を誘拐された女性(シネ)と彼女を見守る男(ジョンチャン)の恋物語という大きな枠の中で、許しと救い、欲望と真実といった人生の根底に流れる問題を描いた作品で、16日に開幕する第60回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門進出作として話題を集めている作品だ。

 同作で喪失感と過去の傷に苦しむ女性シネを演じたチョン・ドヨンは、試写会の直後に行われた記者会見で、「誘拐犯の電話を取るシーンを撮影したときはなかなかうまく行かず、途中で撮影を中断させてしまった。当時、歯をあまりにも強く食いしばったため、唇から血が出たほどだったが、シネの感情を十分に表現できたという自信がなかった。デビューしてから初めての経験だった」と話した。

 しかしチョン・ドヨンのそんな謙虚な発言とは裏腹に、評論家はチョン・ドヨンの名演技に拍手を送る雰囲気だった。幻滅や執着など、さまざまな感情を見事に演じた妖婦と天使の顔を持つチョン・ドヨンに熱狂した。

 映画関係者はシネという女性が海外の映画祭で好まれる「神経質で分裂的」な表情を見せながら各シーンをつなぐキャラクターであるという点に注目している。このため、2004年に『Clean』で主演女優賞を受賞したマギー・チャンのように、海外メディアの集中的なスポットライトを浴びることが期待される。

 一方、チョン・ドヨンとソン・ガンホをはじめとした『密陽』チームは、24日の韓国公開に先立ち、カンヌの公式行事に参加するため、今月中旬にフランスへ向けて出発する。

チョン・サンヒ記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース