韓国に押し寄せる「日流ブーム」(下)

韓国大衆文化の危機!?

◆強力パワー誇る日本の原作市場

 現在の状況では、韓国大衆文化コンテンツの「日本偏向」は深まる一方だと専門家はみている。底辺の広い日本のマンガ・小説市場は、ますます大きな威力を発揮しているためだ。韓国出版研究所によると、2005年の時点で、小説市場の規模は韓国で2030億ウォン(約255億円)だが、日本は7243億ウォン(約 910億円)。マンガ市場の規模は韓国1242億ウォン(約156億円)に対し、日本はその32倍の4兆ウォン(約5023億円)に達する。

 MBC 『白い巨塔』の脚本家、イ・ギウォン氏は「韓国とは違い、日本は純文学と大衆文学が活発に交流、独特な作品を多数生み出している。それが原作となってさらに創造力豊かな作品を生み出す元となっている」と話す。少し前から韓国では日本の小説が韓国の小説を圧倒する現象まで起きている。韓国最大の書店、教保文庫によると、06年、小説全体の売り上げにおける日本の小説のシェアは31%で、韓国の小説23%を大幅に上回った。もちろん日本でも韓国映画『マイ・ボス マイ・ヒーロー』、ドラマ『ホテリアー』などがリメークされてはいるが、大衆文化市場で原作となる作品の数では「韓流」が「日流」に押されている。

◆韓国は日本の文化商品の第2市場に転落?

 専門家は「日本のゆがんだ大衆文化まで韓国国内に流入し広がる恐れがあり、また、韓国の大衆文化商品が日本に支配される可能性もある」と懸念している。韓国出版研究所のペク・ウォングン責任研究員は「コンテンツ企業が独自のアイデアを育てるのではなく、目の前の利益だけを考え日本の作品に頼るのは、恥ずべき韓国文化の姿。韓国の大衆文化界は斬新な感覚を持つ若い作家を養成するため、競争システムを導入すべきだ」と話している。

チェ・スンヒョン記者
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