韓国には「軍隊に行って来てこそ本物の男になれる」という言葉がある。少なくともこの男を見れば、その言葉が納得できるはずだ。俳優パク・ジョンチョル(31)。2年6カ月間の兵役を終え、いつの間にか30歳を超えた。パク・ジョンチョルからは「男の香り」が漂っていた。
4月、SBS『青い魚』で久々に視聴者の前に姿を現したパク・ジンチョルには、喜びとわずかの緊張、興奮、そして期待感が同時に感じられた。
「人気の真っ只中にいた28歳、入隊の通知が死刑宣告のように感じられた」という告白も、パク・ジンチョルが口にすると深い説得力を持った言葉に聞こえた。入隊するその瞬間まで、どこかに逃げてしまいたいと思っていたほどだったが、今考えてみると「行って来て本当によかった」と思うという。「俳優になってから、とにかく突っ走るばかりで自分自身を振り返ってみる時間がありませんでした。だから軍隊はさまざまな経験と一緒に、考える時間をくれたのです」
もちろん前に向かって懸命に走り続けること、それが悪かったとは思っていない。「20代でなければできないことです。そしてその時期はそうするのが正しい」
しかし30歳を超えた今、少しは余裕を持って、そして自分の未来の青写真を描けるようにすること。それが必要だと気がついた。そんな時間をくれた軍生活は何とも取り替えることのできないありがたい時間だった。こんな余裕がパク・ジンチョルをより豊かに成長させたのかもしれない。
今回のドラマに対するパク・ジンチョルの愛情は格別だ。コ・ソヨンと運命的な恋に落ちるが、彼女は愛することのできない家の娘だったという、多少陳腐でありふれた内容であるにもかかわらず、パク・ジンチョルが話すと魅力あるストーリーに感じられる。
「演技に深みを出すため、心と体を鍛えました」と話すパク・ジンチョルの笑顔と声が、胸の中で大きく響いた。