スターとCM効果の知られざる関係

 「サッカーの英雄、朴智星(パク・チソン)が出演したCM6本の広告効果ランキング。そのスターの名前を聞いた時に一番初めに思い浮かぶCMでみると、デジタルテレビX CANVASとハイトビールが1位タイ(28.7%)。次いでゲータレード(14.9%)、ナイキ(9.6%)、教保生命(1.1%)の順だった。ウリ金融グループは0.0%だった」。

 2003年からスターに関する消費者の調査を行ってきた「ブランド38研究所」のパク・ムンギ所長が発行した『スターとCM』(図書出版ドゥナム)は挑発的だ。スターの広告効果を数値化するのはいいが、トップスターによるマーケティングが幻に過ぎないかも知れないということを、はっきりと数字で示しているからだ。

 その核心は第2章の「韓国スターたちのCM効果分析」。チョン・ジヒョン、キム・テヒ、Rain、チャン・ドンゴン、ウォンビン、ムン・グニョン、イ・ヒョリ、ハン・ガイン、ペ・ヨンジュン、朴主永(パク・チュヨン)、朴賛浩(パク・チャンホ)ら芸能・スポーツ界のスター30人のCM効果と、2003年から年2回ずつ実施したスターマーケティングのアンケート調査結果(2006年前半の結果は未収録)を220ページ以上にわたり数値とともに掲載したものだ。

 2005年後半の調査では、1対1の面接方式で2000人に聞いた。「テレビCMモデルに一番ふさわしい芸能人」ではチョン・ジヒョン、キム・テヒ、Rain、チャン・ドンゴンの順になった。

 さらに具体的な分析を見ると、「好感度」ではキム・テヒの携帯電話CYON、チョン・ジヒョンのヘアケアブランドElastine、チョン・ジヒョンのファッションブランドGIORDANO、ムン・グニョンの携帯電話KTFのCMの順。「ネームバリュー」ではアン・ソンギのコーヒーMAXIM、チョ・スンウのHPサイワールド、チョン・ジヒョンのGIORDANO、チョ・スンウのタバコ企業KT&Gの順。「購買欲求影響力」ではチョ・スンウのサイワールド、チョン・ジヒョンのElastine、ハン・ガインの洗濯機ハウゼン銀ナノ、イ・ナヨンの化粧品ブランドLANEIGEの順となっている。

 そして同研究所はこれらの要因を総合してSMBI(スター・マーケティング・ブランド指数)という統計モデルを作り出した。その結果1位はウォンビンのCYON、2位はアン・ソンギのMAXIM 、3位はイ・ヒョリの携帯電話Anycallとなった。

 パク所長の研究結果で分かるのは、やはりスターと商品イメージがぴったり合った場合しかCMは成功しないということだ。パク所長は「一度も手に水をつけたことがないようなイメージから、キム・ヒソンをモデルにしたキッチン家電DIOSのCMは失敗したが、注文販売方式の化粧品ブランドDHCは、人をアゴで使うような彼女のイメージにぴったりで成功した」と分析している。

 スターの印象だけ残り、ブランドはまったく覚えていないCMのケースも分析した。教保生命はW杯サッカー韓国代表のヒディンク元監督を起用してCMを流したが、視聴者にはこのCMが教保生命のCMだとはまったく分からなかったそうだ。

 この記事の最初に言及した朴智星のCM成否も同様に分析できる。「朴智星」と聞いて誰も企業名が思い出せなかったウリ金融グループCMについてパク所長は「朴賛浩も共演していて注目度が分散したことや、CMメッセージ自体が韓国という国の力をアピールし活躍する韓国人がメインだったことから、ウリ金融グループというブランドが思い出せなかった」としている。

オ・スウン記者
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