「今年の韓国映画輸出? 期待していないよ」
今月8日から18日の間開催された第57回ベルリン国際映画祭に合わせ、ヨーロッパ・フィルム・マーケット(EFM)が1週間開催された。
韓国の主な映画投資・配給会社も現地にブースを設置、韓国映画の海外販売を行った。ベルリン映画祭コンペティション部門に出品された『サイボーグでもいい』が日本に、『壽(ス)』(原作「ダブルキャスティング」)と『デイジー』がドイツに、『あいつの声』が東南アジア地域に輸出された。アニメ映画『Aachi & Ssipak』もフランスなどに売れ、その他の映画も海外版権販売契約を結んだ。
EFMは、カンヌ、ミラノ、アメリカン・フィルム・マーケットなどに比べると規模が小さいことから、韓国映画界は毎年あまり大きな成果を期待していない。むしろ3月に開かれるアジア最大の映画見本市「香港フィルム・マーケット」に備えるムードとなっている。
EFMに参加し、帰国したある映画関係者は「そうした状況を考慮に入れても、韓国映画に対する今年のマーケットの反応はあまりよくなかった」と話す。
一言で言えば「閑散としていた」とこの関係者は言う。海外マーケティングや配給で数年間のキャリアがある彼の言葉は、海外市場の韓国映画への関心がそれほど下がっていることを表している。
特にこの関係者は「韓国映画の輸出地域の大部分を占めてきたアジア市場が心配」と顔を曇らせる。
「日本映画は国内市場で再び復活の兆しを見せている。最近『デスノート』などの日本映画が台湾やシンガポールの映画館を席巻したように、アジア地域で日本映画の人気が高まっている。香港でもロマンチックコメディー系の香港映画がヒットしている。また、中国映画に対する現地の関心も高まっている」と危機感を見せた。
実際、日本映画製作者連盟の資料によると、日本映画は昨年、邦画のシェアが53.2%と、洋画シェアを21年ぶりに上回った。
一方、韓国映画は昨年の海外輸出額が約68%減少した。特に、全体輸出額のうち、アジア地域の割合が初めて減り、そのうち日本市場は前年比で6分の1の水準に落ち込んだ。
ただ、タイだけはかなり輸出額が増えた。これについてもこの関係者は「東南アジアでほとんど唯一、侵略された経験のない国で、日本からの侵略もなかったのがタイ。それほど日本文化に親しみがなく、相対的に日本映画の影響をまだ受けていない」と説明する。
「おおむね韓国映画に友好的だった東南アジアや中国語圏の観客が、少しずつ日本映画に関心を移しつつある」とこの関係者は繰り返し強調した。
そして「韓国映画は2000年代初めから、その良質さで国内の観客を絶えず呼び起こした。そのおかげで韓国映画は韓流ブームと共に海外市場でも通用するようになった。今後は日本映画が、韓国映画の歩みを同じようにたどり、アジア市場再攻略に乗り出す」と警告する。
この「警告」は、旧正月連休の韓国映画ヒットを目にしている映画関係者には「行き過ぎた悲観的な見通し」に聞こえるかもしれない。
しかし、製作資本の過剰や、それに反比例して悪化する収益性、上がる制作費、一部のトップ俳優・監督の高額ギャラなどに振り回されている映画界が、海外、特にアジア市場を重要な突破口と見なしてきたことから考えても、海外市場進出を見直すべき時を迎えているのは明らかなようだ。