イ・ヒョリ「この世の誰よりもセクシーでいたい」


 「昨日、食あたりで大変だったんだけど、これ食べても大丈夫かな」

 3日午後、ソウル清潭洞のあるスタジオ。録音をひかえたイ・ヒョリ(28)がゆっくりジャージャー麺を食べている。口ではそう言いながらも目に微笑みを漂わせているスッピンのイ・ヒョリは、健康美に溢れ、インタビューでもさばさばと本音を語ることで有名だ。

 「去年は一生懸命頑張ったのに嫌なことが多い年でした。今年はいい年になって欲しいと思います。表面的な人気よりは、ダンスや歌、演技で深みが出たと認められたい」

 昨年初め、2枚目のアルバムのタイトル曲「Get Ya」で盗作疑惑が巻き起こり、デビューしてからもっとも苦しい日々を送ったというイ・ヒョリ。しかし22億ウォン(約2億8000万円)の契約金を受け取り、所属事務所を移籍し、サムスンの携帯電話AnycallのCMで変わらぬスター性を発揮するなど、歌手としてひとまわり大きく成長している。

 17日、新曲3曲を含めたデジタルシングルを発表したことに続き、60分の長さのミュージックドラマで再び本格的な歌手活動をスタートしたイ・ヒョリは、決戦を前にした将帥のような心情ではなかろうか。しかし表情には余裕がある。「インターネットで先に公開し、反応が悪ければすぐに消してしまおうと…」と笑った後、「下半期に出すアルバムの準備体操だと思って、緊張しないようにしています」と話す。

 「世の中を知らず、前の所属事務所では契約書もなしに8年間仕事しました」と話すイ・ヒョリに、「それでも歴代最高の金額を受け取り移籍したではないか」と聞くと、「本当に歴代最高なんですか?」と聞き返した。「前の事務所では何も知らず、ただ言われるまま活動してきたので、もっと体系的にバックアップしてくれる事務所を探していました。私の価値を認められたことは嬉しいです。安く扱われるのは気分悪いじゃないですか?ははは」。

 「1カ月近くほとんど徹夜でアルバムの準備をしたのに、盗作疑惑が持ち上がったときは口では説明できないくらいショックが大きかった。曲を受け取ったとき、ブリトニー・スピアーズの歌とリズムが似ているとは思いましたが、問題になるほどではないと楽観していました。私が人々の関心の的になるイ・ヒョリだという事実を忘れていたのが問題でした。自らに対して安易でした。でもこの事件で、私自身、得たものの方が大きいと思っています。一番大きいのは舞台の大切さを知ったこと。大衆はイ・ヒョリにいつもトップでいて欲しいと思っているということ。少しでも遅れを取ろうものなら大きく失望されます」。

 だからこそ負担も大きい。「アクセサリーひとつでも新しくお洒落なものを見つけなければならないので、“標的”になるって本当に大変です」。

 酔った男性を救った逸話については「私も酔って道で寝たことがありますから(笑)。女性だったら家まで送りますし、男性だったら起こしてあげています」。

 昨年10月、イ・ヒョリは「心優しき芸能人」として有名になった。道端で酒に酔って倒れている男性を救った事実が朝鮮日報への投稿によって明らかになったのがきっかけ。イ・ヒョリは「酒に酔って倒れている人をそのまま放っておくことができない性格」なのだという。

 「私も以前、辛いことがあった時、酒に酔って道で寝てしまったことがあるのですが、本当に苦しかった。冬には凍死することだってあるし、夏は蚊に刺されて大変です。だから酔って倒れている女性を見たら家まで送ってあげて、男性だったら起こしてあげます。男性の場合はちょっと怖いですが、これまでは私だということに気がついた人はいませんでした。今回はその方の弟が迎えに来たので、明るみになってしまいましたけど。私、もともとおせっかいなんです」

 高校時代、自分が芸能人になるとは夢にも思わなかったというイ・ヒョリは、高校の近くにあったHOT(当時の人気グループ)の合宿所でトニー・アンを待ち続けたという熱烈ファンの1人。「そのときは、もしかしたら自分がトニー・アンの彼女になれるんじゃないかとも思いました。ははは。今では一緒にお酒を飲みながら『あの時、なんであんなに好きだったのかな』と冗談を言い合う友人ですが」

 先日、某就職ポータルサイトと女性週刊誌が実施したアンケート調査で、イ・ヒョリは「韓国のパワーウーマンTOP10」の3位に輝いた。1位は朴槿恵(パク・クンヘ)ハンナラ党前代表、2位は韓明淑(ハン・ミョンスク)首相だった。

 「光栄です。ただ名前を挙げやすかっただけじゃないですかね?」

 イ・ヒョリはいつも謙遜だ。「私が最高の女性スターといえるんでしょうか。関心の的にある女性歌手…程度の評価だったら納得できますが」と話す。そんなイ・ヒョリの憧れの女性は誰だろうか?それはマドンナだった。

 「もう若くはない年齢であるにもかかわらず、つねにトレンドを作り出し、自分をどんどん成長させているのが本当にかっこいい」。

 イ・ヒョリの新曲はバラード、ダンス、ミディアムテンポなど幅広いジャンルになる見込みだ。先月末に行われた「BIG4コンサート」で観衆の前で新曲を一足早く披露したイ・ヒョリは、ランジェリールックとネコを連想させるダンスで相変わらずセクシーだった。

 「私のイメージがセクシーさだけに固まってしまうのは嫌です。でも動物であれ人間であれ、異性の前で踊ったり歌ったりするのは、相手を幻惑させるための行動じゃないですか?そういう面で私は芸能人として成功したと思っています。まだまだこの世の誰よりもセクシーでいたい、そう思っています」

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