【青龍賞ルポ】寒空の下、日本人ファンは何を思う


 12月15日午後6時、ソウル・汝矣島のKBSホール前。時折小雨がちらつく中、第27回青龍映画賞に出席するスターを一目見ようと、レッドカーペットの前には大勢のファンが詰め掛けていた。授賞式が始まる午後8時までの2時間、今年の韓国映画界を代表する俳優たちを間近に見ることができる。ファンにとってはこの上なく幸福な時間だ。

 今年の青龍映画賞にも日本から多くのファンが駆けつけたが、Rainのコンサートと日程が重なり、泣く泣く青龍映画賞をあきらめたファンも少なくなかったという。

 東京からツアーで参加したAさんは、前日14日にゴールデンディスク大賞、15日に青龍映画賞のレッドカーペットのイベントを見学、16日に日本に帰国するという。AさんはRainのコンサートと青龍映画賞、どちらに行こうか最後まで迷った挙句、青龍映画賞を見に来たそうだ。

 Aさんは「以前はごく一部の人しか韓国で行われる映画祭のツアー情報を入手できなかったが、最近は誰でも情報を入手しやすくなった。韓流ブームが少し落ち着いてくれた方がチケット入手は楽になるからうれしい」と話す。

 大阪からツアーで参加したBさんはチョ・インソンの大ファン。Bさんの目の前を通り過ぎたチョ・インソンが女子高生ファンと握手すると、Bさんは思わずその女子高生の手を握ってしまったとのこと。Bさんは「(大韓民国映画大賞に続いて)青龍映画賞でも主演男優賞を受賞してほしい」とチョ・インソンへの熱い思いを語った。


 イ・ジュンギがお目当てのCさんは、持参のデジタルカメラでうまく撮れたと大喜び。Cさんと一緒に来たDさんはデジタルカメラのバッテリーが切れてしまい、仕方なく携帯電話のカメラで撮る羽目に。Cさんは「Dさんの分も頑張って撮りたい」と、シャッターを押し続けていた。

 Eさんはチョン・ウソンのファン。彼がレッドカーペットに登場すると、Eさんは必死にカメラで彼の姿を追い続けた。しかし、チョン・ウソンがいよいよEさんの前を通り過ぎる時、彼の視線は不幸にもEさんと反対方向へ。数時間チョン・ウソンの登場を待った挙句、シャッターチャンスを逃してしまった。Eさんは「今日の方が釜山(国際映画祭)の時よりはイケてたよね」と、自分を慰めるように言っていた。

午後8時を過ぎると、大変な盛り上がりを見せたレッドカーペットのイベントも終了。しかし、イベント終了後もその場を離れない日本人ファンが少なくなかった。

 オム・テウンの大ファンというFさんは、姉オム・ジョンファの入場を待っていたが、ついに彼女は姿を見せなかった。Fさんは「オム・ジョンファさんに会えたら、日本にもオム・テウンが好きなコアなファンがたくさんいることを伝えたかった」と残念そうに語った。

 12月の寒空の下行われる青龍映画賞のレッドカーペットのイベント。今年もファンに多くの思い出と、長時間寒さに耐えた疲労感をちょっぴり与えながら幕を閉じた。

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