寒くなると恋しくなる真っ赤なスープ…ユッケジャン


 冷たい風が吹き始めた今日この頃。暖かい食べ物が恋しくなる季節。

 寒くなると韓国人が食べたくなるの料理のひとつに真っ赤で辛~い「ユッケジャン」というスープがある。ユッケジャンはもともと、犬肉のスープに味噌をといた料理だったが、最近は犬肉の代わりに牛肉を使う。たっぷりの牛肉でダシを取ったスープに、モヤシ、ワラビ、サトイモの茎を入れて煮込んだ真っ赤な辛いスープだ。

 十分に煮込んで柔らかくなった野菜と牛肉がたっぷり入った具だくさんのスープをご飯と一緒に食べると、鼻の頭や額に汗が吹き出してくる。手間のかかるスープであるにもかかわらず、安い昼食メニューという認識のせいか、一般の食堂ではなかなか美味しいユッケジャンを食べることができない。

 今日は本物のユッケジャンを食べさせてくれる貴重な食堂を紹介しよう。

<トゥンテンイ・ユッケジャン>

 こんなに美味しくて2900ウォン!

 2900ウォン(約360円)でユッケジャンを食べることができる嬉しい店。値段は安いが、ユッケジャンの基本といえるコクのある辛さと長ネギの甘さを程よく出している。量と具は少ない方だが、この美味しさなら十分に満足できるはず。3000ウォンを出した場合、おつりの100ウォンをくれないこともあるが、それはご愛嬌…(?)。地下鉄孔徳駅5番出口を出て、坂を上った左側。この店には電話はなく、本店(大林洞)は(02)832-2034。

<トンギョン・ユッケジャン>

 長ネギと牛肉だけのさっぱり味

 ソウル駅三洞国技院と科学技術会館別館の近くにあるトンギョン・ユッケジャンは、「ユッケジャン」(6000ウォン)が看板メニューという珍しい店。近くの会社員の昼食メニューとして人気のあるこの店のユッケジャンは、モヤシやワラビなどの野菜が入っておらず、真っ赤なスープに長ネギと牛肉で仕上げたさっぱり味が特徴。牛の骨と一緒に煮込んだ良質の肉と、干した長ネギで、さっぱりしながらも深みのある味わいを出している。上に玉子焼きの千切りが少々乗っているのが嬉しい。無難で素朴なユッケジャンが食べられる店だ。(02)566-9779

<ウレオク>

 これ1杯で満腹に…

 冷麺とプルコギで有名な乙支路のウレオクは、ユッケジャン(7000ウォン)の味も逸品。濃い目の牛肉スープに、野菜もたっぷり入っている。市中ではなかなか味わうことのできない高級なユッケジャンである。柔らかい牛肉、長ネギ、ワラビ、刻み卵、春雨が入っている。これ1杯で満腹になれる贅沢なユッケジャンだ。(02)2265-0151


<カルククス専門>

 ユッケジャンの中に麺が…。

 この店は「龍山三角地のユッカルククス(ユッケジャン+カルククス(麺の一種))」と呼ばれ、この地域で25年以上、ユッケジャンにカルククスを入れた特有のユッケジャンを出している。牛の骨を煮込んだスープを基本に、具は牛肉と長ネギだけだが、深みのある味わいを出している。ユッケジャンを注文すると、カルククスがつき、ユッカルククスを注文するとご飯がついてくる。ユッケジャンとカルククスの組み合わせはなかなか見かけないが、濃いユッケジャンのスープにからんだ麺が抜群の相性だ。ユッケジャンもユッケカルククスも5000ウォン(約620円)。(02)713-6204


<チンコゲ>

 生姜のきいたユッケジャン

 1963年にオープンした忠武路のチンコゲは、夕食にも、一杯飲みたい時にもぴったりという韓国料理店。蒸しカルビとカニの醤油漬けで有名だが、「ユッケジャン」(6000ウォン)も常連に人気のあるメニューだ。ステンレスの鍋に入れられたユッケジャンは赤黒い唐辛子の油のために辛くて油っこく見えるが、食べてみると辛さもちょうどよく、意外なほどさっぱりしている。上にネギのみじん切りとゆで卵が乗っているところや、生姜の香りとコショウがきいているのも特徴のひとつ。最も個性のあるユッケジャンが食べられる店だ。(02)2267-0955


<セムトマル>

 登山客に人気のクッパ専門店。

 北漢山に来た登山客に人気のクッパ(スープにご飯が入ったもの)専門店。ユッケジャン(4000ウォン)はワラビ、そして千切りにした牛肉をたっぷり入れ、辛~く煮込んである。辛さは甘みの少ない激辛タイプ。モツを入れて煮込んだヘジャンクッも美味。このほか、サービスで出てくるおかず類が美味しいのが嬉しい。食堂の一角に流れる川を見ながら、山上りを終えた登山客が美味しそうに食事をしている姿が目につく。(02)902-6456。

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