『いかさま師』チョ・スンウ「当分‘コニ’役のままでいたい」


 「秋夕(連休シーズン)は帽子で変装して『いかさま師』を見に行きます」

 チョ・スンウはまだ『いかさま師』の「コニ」のままだ。俳優は普通、どんな役でも役に入ることより、役から自分に戻ることのほうが難しいと言うのに、彼はどういうわけかコニ役を離れるのが嫌なようだ。もう少し時間をかけて『いかさま師』の余韻を楽しみたい。秋夕の間も帽子を目深にかぶり、1人静かに『いかさま師』の上映館に行ってみるつもりだと言う。秋夕の映画館街…もしかしたらすぐ隣にチョ・スンウが座っているかも…。

 ◆初体験

 俳優をやっていて初めて編集室という所に行った。映画製作における俳優の役割は、クランクインからクランクアップまで。その後編集・CG・ミキシングなどの作業は、監督やスタッフの役割だ。だから俳優が編集室まで行くことはほとんどない。下手に行けば邪魔になるのでは?と考えると、心配で足が向くこともない。

 ところがチョ・スンウは行ってきた。それも何回も。じっとしていられなかった。「あの時」のことが頭から離れなくて、いても立ってもいられなかった。

 2時間30分ほどに編集された第1・2次編集版を見た瞬間、彼はピリピリとした感激に包まれた。他人の評価はどうだろうと、自分だけはこの映画に確信が持てた。

 「チェ・ドンフン監督、キム・ヘス先輩、ペク・ユンシク先生、ユ・ヘジン兄さん…みんな『いかさま師』で初めて会った人々でした。けど、すぐに親しくなりました。まだクランクインする前、大邱でミュージカル『ジキルとハイド』の公演をしていた時、みんなが応援に来てくれてビックリしたんです。このことはずっと忘れられないでしょう。多くのことを教わりました」




 ◆『いかさま師』の人々

 一番多くの影響を受けたのは、やはり相手役の「チョン・マダム」を演じたキム・ヘス。初めてキム・ヘスと共演した時は、さすがのチョ・スンウも慎重になった。10歳年上ということはさておき、後輩にも丁寧語を使う先輩とのハードなベッドシーンは大変だった。しかしチョ・スンウもキム・ヘスもプロの俳優だ。2人はNGを1度も出さずにベッドシーンをこなした。

 「もともとはもっとベッドシーンがたくさんあったんです。しかし映画で公開されたベッドシーンが一番よかったと思います。成功を追い求める2人の欲望がよく表現されていたので…」

 伝説のいかさま師「ピョン・ギョンジャン」役のペク・ユンシクについては、四の五の言う必要はない。「普通、前日に次の日撮影する分の台本を受け取るんですが、一度、ボロボロになった台本を持って‘ペク先生’が来たのを見たんです。徹夜で研究したということでした。本当にすごい情熱の持ち主です」

 「コ・グァンリョル」役のユ・ヘジン、「アグィ」役のキム・ユンソクとは本当の兄弟のようになった。

 「ヘジン‘兄さん’がコニの母親のラーメン屋に来て、コニのお金を渡すシーンがあります。それを見て“ああ、本当に俺たち仲がいいなぁ”と思ったんです。以前ミュージカルで共演したユンソク‘兄さん’と仲がいいのは、言うまでもありません」

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