「第10回奉化春陽木マツタケフェスティバル」が9月29日から10月2日まで慶尚北道奉化郡で開催される。フェスティバルのハイライトは「マツタケ狩り」。奉化郡内にあるマツタケの育つ山で、山主の案内に従ってマツタケ狩りをするというイベントだ。1人当たり最高2本まで取ることができる。採取したマツタケは山林組合公判価格を基準に、山主に適当な値段を支払って購入することができる。
マツタケの価格は毎年、そして日によって違うが、約5万~6万ウォン(約6100~7300円)程度。午前10時と午後2時に奉化邑体育公園のイベント会場の案内所に集合すれば、マツタケ狩りの山へと団体で移動する。希望者は自分の車に乗って移動することも可能だ。入場は無料。申し込み(054)679-6364。
奉化郡のもうひとつの自慢は春陽木を素材にしたイベント。春陽木の工芸品の展示、苗木の展示・販売を行うほか、韓国伝統家屋をレゴブロックで作ったり、木陽木で動物を彫るイベントなど、春陽木の美しさが体験できる。お問い合わせ(054)679-6371、6391 www. bongwha.go.krまで。
◆マツタケを採取するチャン・ソンイルさん
なかなかハードな山道だ。マツタケの育つ山を見ようと、山主のチャン・サンイルさん(48)さんの後について慶尚北道奉化郡ピナリ村の裏山に登った。「裏山」とはいえ、傾斜は60~70度。絶壁に近い。チャンさんは「マツタケは水はけのよい急傾斜の山でよく育つ」と説明する。
軽い足取りで山を登っていたチャンさんが、ある松の木の下で足を止めた。左手に持った木の杖で松の根付近の土のやや赤くなった部分を掘った。落ち葉と腐葉土をどけるとゴルフボール大の茶色い塊が目についた。チャンさんが杖で周りの土をそっと押すと、長さ10センチほどのマツタケがスッと顔を出した。チャンさんは白い手袋をはめた左手で注意深くマツタケを採り、かごに入れた。
マツタケは松の木の根の付近に育つキノコだ。分解能力がないため、養分を作ることができない。様々な条件を満たした土壌でなければ育たないキノコだ。チャンさんは「マツタケは神秘のキノコです」とし「風通しがよく、適当な日の光を好みます。乾燥していてもジメジメしていても育ちません。人間が手を加えると決して育ちませんし、人工栽培もできません。鉄が触れると育たないので、杖は必ず木製のものを使用しなければなりません」
そんな厳しい条件のもとでしか育たないため、マツタケは値段が高くなる。毎年、日によっても差があるが、マツタケ1キログラムの値段はだいたい50万~60万ウォン(6万1000円~7万3000円)で競売される。マツタケの重さは150グラム程度だから、マツタケ1本が5万ウォン~6万ウォン程度であるという計算になる。
マツタケの人気の秘密はその香りにある。高麗時代、李仁老(高麗時代の学者)は破閑集で「不思議な味で、利尿作用があり、精神安定効果のある香りがする」と賞賛した。
マツタケは江原道襄陽郡・麟蹄・三陟・江陵・固城と慶尚北道蔚珍・盈徳・奉化に分布している。襄陽郡が全国の生産量の80%を占める。12~13%を生産する奉化郡の人々は「生産量は少ないが、味と香りは奉化産の方がはるかに上」とし、「太白山の山すそで育ったものであるため、ほかの地域よりも水分含有量が少なく、肉質がしっかりしており、香りも強い」と自負する。
今年は閏月で秋が遅く、まだマツタケは多くない。山の頂上付近で少し見られる程度だ。奉化春陽木マツタケフェスティバルが開催される9月末から10月初旬がピークになる見込みだ。この頃になるとマツタケが山すそ近くでも採れるようになる。奉化郡ではフェスティバル期間中、奉化郡一帯の山でマツタケ採取体験を実施する計画だ。フェスティバルの期間以外でも奉化郡(054-679-6391、www.bong wha.go.kr)かチャン・サンイルさん(054-672-3274, 011-9724-3274)に問い合わせれば可能だ。