【グエムル】専門家に聞く「デザインが似ているのでは?」

「廃棄物13号が思い浮かんだ」「偶然」「明らかに相違」

 韓国映画最高の興行記録を打ち立てた『グエムル-漢江の怪物-』の盗作疑惑が話題になっている。グエムルが日本のアニメ『WXIII 機動警察パトレイバー』に登場する怪物「廃棄物13号」のデザインに酷似しているというものだ。

 怪物映画、アニメーションの専門家4人に意見を聞いてみた。

 怪物映画のインターネットサイトを運営している怪物映画の専門家は、「最初に怪物のデザインを見たとき、廃棄物13号が思い浮かんだ」とし、その類似性を認めた。しかし単純にコピーしたというよりは、両生類と魚類を基本にデザインしていたため、類似性が生じたと考えたと話す。


 この専門家は、「制作会社は日本側のデザインをモニタリングできなかったようだ。実際、これまで誕生した怪物のデザインは数え切れないほど多いため、そのすべてをモニタリングするというのは不可能なこと」と限界を指摘した。また、「怪物映画は典型化したジャンルであるため、盗作かどうかという面で考え始めれば切りがない。ただ同作は単純な怪物映画とはいえない作品なので、どのように判断するべきか分からない」と語った。

 ホラー映画のインターネットサイトを運営している専門家は、「廃棄物13号をコピーしたという主張は無理がある」と断言した。「独創的なデザインは難しいため、既存の怪物を作り直すしかない」という理由だ。「同作を見ながら斬新だという印象を受けた。怪物の大きさなども韓国的な情緒によく合っていると感じた」とし、盗作騒ぎを一蹴した。「盗作かどうかということは作った人だけが知っているが、観客は自然に受け入れている」と話した。

 日本のアニメーションの専門家は「廃棄物13号自体が古い話」とし、「WXIII 機動警察パトレイバーの原作漫画のエピソードをアニメーション化したもの」と説明した。盗作疑惑については「偶然であると考えられる。現存する生物の突然変異を考えれば、似たようなデザインになるほかない」と理解を示した。「『レリック』という映画に出てくる怪物もこれに似ている。盗作という疑いをかけられないためには、ファンタジーにするしかない。素材が限定されているので仕方がない」と話した。

 また、大衆文化評論家は今回の盗作騒ぎがほとんど悪意的な「遊び」の水準であると批判する。「韓国の芸能人と海外の芸能人のそっくりさん探しに近く、最もそっくりに写っているカット2つを並べただけ」と強調した。「廃棄物13号の怪物は人間の遺伝子が混ざっているという設定であるため、正常な人間の腕の長さに肩、胸があり、指も5本付いている。頭以外の部分は人間、腰から下は変種のトカゲの形をしている」と説明した。「基本的に“人間型”の廃棄物13号と、どう見ても人間型と見ることはできないグエムルのデザインは印象からして違う」と断言した。

 また、グエムルと廃棄物13号の誕生の背景から来る相違点についても指摘した。「グエムルが米国に対する警戒と被害意識によって誕生した被害者型生物体」であるとすれば、生態変異として誕生した廃棄物13号は日本特有のテクノロジー妄信と軍国主義に対する懸念を盛り込んだ「警告性生物体」だという区分だ。背景設定が違う2匹の生命体はどのような形式であれ、違った印象でデザインされるほかなく、類似性があったとしても動きや音などによって明らかに相違点を持つと主張した。

 「この映画を2つとも見ても、関連の映像や設定資料を見ても、盗作と認識するのは難しい」とし、「このようなくだらない水準の盗作騒ぎが持ち上がったこと自体が問題」と強く批判した。

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