『グエムル』『トンマッコル』が日本で公開、韓国映画の巻き返しなるか


 『グエムル-漢江の怪物-』と『トンマッコルへようこそ』が、1月違いで日本で封切られる。また、両作品に続いて『王の男』も公開される。日本で9月2日に公開される『グエムル-漢江の怪物-』と10月28日に公開される『トンマッコルへようこそ』、そして『王の男』にかける国内映画界の意気込みは相当なものだ。

 これまでに輸出された人気韓流スターの主演映画は、日本での興行成績があまり振るわなかった。そのため、スター性よりも作品性を重視した今回の3作品の公開に、強い関心が集まっている。

 現在、日本は韓国映画の最も大きな輸出市場だ。韓流スターが出演する映画に日本から直接投資が行われるほど両国の取引は活発で、韓国映画を輸入する規模は他の国とは比較にならないほど大きい。

 映画『シュリ』『猟奇的な彼女』が日本での興行で成功を収めたほか、ドラマ・音楽など韓流ブームの勢いに乗って始まった韓国映画輸入ブームは『私の頭の中の消しゴム』『四月の雪』『僕の彼女を紹介します』といった作品が20億円以上の配給収入を売り上げたことから、さらに過熱化した。

 しかし『連理の枝』『デイジー』など韓流スターを前面に押し出した映画が、不振な結果に終わったのに加え、最近公開された『青春漫画』『僕の、世界の中心は、君だ。』も興行成績が今ひとつ振るわなかったことから、韓国映画の成功神話が次第に崩れ始めている。

 これについて、ある映画関係者は「韓流スター中心のマーケティング手法には限界がある。『冬のソナタ』もペ・ヨンジュンの力で人気となったのではなく、作品的に優れていたためにペ・ヨンジュンの爆発的な人気につながった。このようにコンテンツとしての成功が、韓国映画にとって最も重要だ」と語った。

 このような状況の中で、韓国で昨年から今年にかけて最も興行的に成功した映画3作品が相次いで日本で公開される。特定のスターに頼ってきたこれまでの路線とは違う、コンテンツを重要視した新しい韓流の可能性を占うものとなるため、日本の観客がこれらの映画をどう受け止めるかが注目される。

 『グエムル-漢江の怪物-』『トンマッコルへようこそ』に続いて、11月には『王の男』の公開が控えており、これら3作品の興行成績いかんで、今後の日本での韓国映画に対する評価も大きく左右されるだろう。

 今のところ、日本での反応はひとまず好意的だ。『グエムル-漢江の怪物-』の場合、怪獣特撮映画の元祖ともいえる日本で、ポン・ジュノ監督が「韓国の黒澤明」と呼ばれるなど、好感を持って受け入れられている。また『グエムル-漢江の怪物-』の制作会社チャンオラム社の関係者は「今年のカンヌ国際映画祭で、事前に『グエムル』を見た日本の映画関係者たちが、現在積極的に映画を推薦してくれている」と語った。

 『トンマッコルへようこそ』は、主役を演じたシン・ハギュンとチョン・ジェヨンがプロモーション活動のため訪日しているが、2人とも日本での知名度が低いため、現地メディアでは大きく取りあげられなかった。今月29日、東京で映画のプロモーションのためにイベントが開かれたが、各メディアは、イベントについての簡単な説明と「昨年韓国で最も興行成績が高かった作品」と紹介したに過ぎなかった。

 しかし『トンマッコルへようこそ』は、戦争による葛藤と和解という人類の普遍的なテーマが描かれているほか、日本の有名作曲家、久石譲が映画音楽を担当したため、日本でも十分に競争力はあると予想される。

 『王の男』の興行成績は、韓国映画界の今後の可能性を位置付けるものとなるだろう。『王の男』は、韓国映画がこれまで海外に版権だけを販売してきたのとは異なり、韓国の配給会社が直接日本市場で配給まで手がけている。この結果次第では、今後韓国映画を海外に直接配給するという新たな可能性が広がる。

 『王の男』を日本で配給するCJエンターテイメント社の関係者は「韓国市場だけでは明らかに限界があるため、『王の男』の日本配給を通じて、新たな活路が見い出せると期待している」と語った。

 韓国の現代事情を反映した『グエムル-漢江の怪物-』、韓国戦争(朝鮮戦争)が背景の『トンマッコルへようこそ』、朝鮮時代が背景の『王の男』。今年下半期、さまざまな時代背景を持ったこれら3作品が、その作品性を武器に日本市場でどこまで通用するか、大きな関心が寄せられている。

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