現実離れした韓国映画「定番」の死


 がん・脳血管疾患・心臓疾患・糖尿病。これらは韓国人の死因1-4位だ。これら4つの病気による死亡者は52.2%(以下、2004年韓国統計庁資料)で、全体の半数以上を占める。しかし韓国映画に登場する死は、現実とはまったく異なる。映画の中で描かれた死で、こうした病気で死ぬケースはたった4.9%。ならば、映画の登場人物の主な死因は何だろうか。2005年9月1日から2006年8月31日の一年間に封切られた韓国映画100本(アニメ・ドキュメンタリー除く)の中で描かれた死を死因別に分類してみた。これにはエキストラ的な人物の死は入っていない。



 100本の映画で明らかになったり、強く暗示されたりした死は計205例。平均して映画1本当たりに2人が死んでいることになる。このうち、死が1回以上描かれている映画は67本で、誰も死なない映画は33本だった。実際にはがんが26.3%で最大の死因だが、映画での死因トップは断然、殺人だった。計117例で、映画の中で死ぬ人物の57%が殺害されている計算だ。これはホラーやアクションのように登場人物の死が前提となっている映画が多いためだ。実際にはそうした死因は0.44%にすぎないが、ドラマチックな展開のために映画では殺人シーンがよく登場する。また、映画では刃物による殺人が最も多く計61例。次いで銃(21件)、毒物(7件)の順だった。

 自殺もよく登場する死因で、11.2%と2位だった。これは実際の死因(4.7%)の2倍以上だ。交通事故は3位の6.8%。自殺は映画の展開上、ハイライトシーンで出てくるケースが多く、交通事故は主人公の家族の死因として悲劇を演出するために登場する例が多かった。4位は転落死(5.8%)。結果として、実際の死因1~4位と映画の死因1~4位は1つも一致しなかった。殺人・自殺を含め、1本の映画で人が一番多く死ぬのは『礼儀なきものたち』の24例だった。

 一方、病気による死因が映画にあまり登場しないのは、ドラマチックな状況の演出にあまり役立たないからだ。病気で死ぬことがストーリー上、必要な場合でも原発性肺高血圧症(『連理の枝』)、早老症(『少年、天国へ行く』)、エイズ(『トカゲ』)のように特殊な不治の病が好まれる。『百万長者の初恋』では、興奮すると心臓が過剰に鼓動して、死にいたる「肥厚性心筋症」という珍しい病気を持つヒロインが登場、逆説的な純愛を描いた。映画に登場する病死ではがんが6件(2.9%)で一番多いものの、実際のがん死亡者の割合(26.3%)とは大きな違いがあった。韓国人の4大死因の1つ、糖尿病で死ぬ映画の登場人物はゼロだった。また実際とは違い、映画の中では心臓疾患のほうが血管疾患よりも多かった。

イ・ドンジン記者 , オ・スウン記者
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