イ・ビョンホンは名実共に韓流スターといえる。しかし彼が、ペ・ヨンジュン、クォン・サンウ、リュ・シウォンなど他の韓流スターと違う点は「スター」というよりも「俳優」として評価されている点だ。
今年初め、日本のNHKテレビで行われたアンケート調査で、「日本人が好きな名俳優トップ10」という質問に対し、韓国俳優としてはイ・ビョンホンだけがトップ10入りを果たした。他にはトム・ハンクス、ロバート・デニーロ、ジョニー・デップなどがランキングされた。
イ・ビョンホンの主演映画『JSA』『バンジージャンプをする』『甘い人生』は、イ・ビョンホンのスター性よりも作品として評価が高い映画といえる。この3作品は、NHKの同調査の「日本人が好きな名作映画10選」にすべてランクインした。
最近、「韓流の今後」が大きく憂慮されていることについて、イ・ビョンホンは「一番重要なのは実力」と強調した。
イ・ビョンホンは「韓流ブームが最高潮に達していた時でも、ある時ふとまったく見向きもされなくなる可能性が高かった」とし、「流行とは関係なく、良質の映画、優れた演技と実力で勝負をかけることが、自分の信念」と語った。また「いい作品はどこでも通じる」というのが、イ・ビョンホンの持論という。
現在イ・ビョンホンは、映画『夏物語』(監督チョ・グンシク)の撮影中だ。1960年代を背景に復古的な愛の話を描く同映画では、端正なイメージのスエがイ・ビョンホンの相手役を務めている。
イ・ビョンホンは「今回の映画では特別な経験をしている」と語り、「シナリオの方向性が、現場でどんどん新しく創造され変更されているため、完成後にはいったいどんな映画になっているのか期待が大きい」と興奮気味に話した。
チョ・グンシク監督は「これまで出会った俳優の中で、最も演技に長けたすばらしい俳優」とイ・ビョンホンを絶賛。また「俳優が持つべき集中力と状況に応じた柔軟性に秀でており、監督の自分が窮地に追い込まれたことも多い」と打ち明けた。このほか「『スター』というよりも『俳優』という代名詞がピッタリ合った人物」とイ・ビョンホンを評した。
映画は現在、90%ほどの撮影を終え、今年秋に公開する準備を進めている。イ・ビョンホンは「どれだけ期待できる作品かはわからないが、大きく胸を張って公開できる作品」とし、「舞台あいさつでは満足した気持ちで、観客の前に立てるだろう」と作品について語った。