韓国で一番美味しいカキ氷はどの店のもので、どんな味なのか。「韓国最高のカキ氷」を探して7月22日から24日までソウル市内で有名なかき氷の店を回り、20種類のかき氷の中からベスト2を選んだ。また、カキ氷の新しい食べ方を発見した3店も紹介する。
◆最高のカキ氷-「ミルタブ」
この店のベストセラー「ミルク氷小豆」(6000ウォン)は一見、どこにでもあるようなカキ氷に見える。雪のように白いカキ氷の上に小豆と白玉が2つ乗っかっているだけ。うつわが洗面器のように大きいわけでもなく、フルーツやアイスクリーム、ゼリーが乗っているわけでもない。しかしそのカキ氷をすくって口に入れてみると…「ん?」と驚く。まずは氷の大きな塊がない。練乳と牛乳の混ざった雪のような氷が、口の中でスッと柔らかにとけていく。小豆も皮と中身が別々になってしまうようなことなく、柔らかく甘く氷と一体化する。甘すぎず、小豆の味わいが生きており、白玉の硬さ加減もちょうどよい。過不足なく、柔らかい味わいでまとまった上品で美味なカキ氷だ。
このような味わいを出す秘訣は、すべての材料と作る過程が「正道」を守っているため。氷は浄水した水を使い、使用する器械も昔のものをそのまま使用している。氷は凍らせる温度によって質感が違ってくるとか。小豆はこの店が20年前ソウル狎鴎亭洞の現代(ヒョンデ)デパート5階にオープンした当時から小豆を煮ているおばあちゃんが今でも精魂込めて作っている。白玉は朝作ったできたてのもの。小豆と白玉はお代わりもできる!氷いちご、氷緑茶、氷コーヒーもすべて6000ウォン。(02)547-6800
◆昔の面影がそのまま-「太極堂」
ソウル奬忠洞の太極堂に入ると、1960年代に戻ったような錯覚にとらわれる。「菓子中の菓子太極堂」という看板から、「税金は国力」と書かれたレジ、「ピーナッツパン」や「キャンディー」と印刷された包装紙まで昔のままだ。店が開店したその日の姿を今でもそのまま残している。
「氷小豆」(5500ウォン)もまた同様。ミルク色のガラスの器に盛られたたっぷりの氷に、小豆、白玉、コーンフレーク、干しブドウ、赤・黄・緑のゼリー、缶詰のフルーツを乗せ、上から練乳とイチゴシロップがかかっている。見かけは少々「昔風」だけれど、味は最近の手を抜いたカキ氷とはレベルが違う。浄水した水で作った氷を昔式の器械ですりおろした氷は口の中で柔らかくとけ、手作りの小豆も甘みを抑えた上品な味わい。ゼリーがやや甘すぎる感はあるものの、昔式のカキ氷には欠かせないアイテムだから仕方あるまい。(02)2279-3152~4
◆新しいカキ氷-「チルシル」
最近人気を集めている抹茶のカキ氷は正確に言えば「抹茶アイスクリームカキ氷」だ。トック(韓国餅)カフェ「チルシル」の「抹茶氷」(7000ウォン)は、抹茶をシロップにとかして使用している。アイスクリームを使っていないためさっぱりした味わいで、抹茶の香りが生きている。抹茶シロップが小豆と絶妙にマッチしている。小豆は柔らかく煮てあるものの、やや甘すぎ。フルーツに瓜を使っているのがユニークだ。牛乳がかかっていないので、比較的氷がとけにくいものの、なめらかさに欠ける。買ってきた氷を小さな器械でカキ氷にしているため、氷の粒が大きく、均一でないのが少々難。ザクロの果汁を使った「氷ザクロ」や「コーヒー氷」は7000ウォン。臥龍洞本店(02)741-0258、仁寺洞(02)733-5477
◆松の粉のカキ氷って?-「仁寺洞の人々」
松花とは松の花粉。黄色くいい香りの甘い粉で、韓国伝統菓子を作る際にも使用される。ソウル仁寺洞にある伝統茶屋「仁寺洞の人々」はこの松花では使ったカキ氷を食べることができる。カキ氷に牛乳、ゼリー、缶詰のフルーツ、小豆、練乳を乗せたあと、最後に松花をたっぷりかける。新鮮な松花の香りがカキ氷を食べるたびに口の中一杯に広がる。粉が口の中に残るような感触はなく、なめらかにとける。氷は買ってきた氷で小型の器械を使っているのがやや難。甘酸っぱい「漢方五味子氷」(6000ウォン)も美味。(02)723-1236
◆チョコレートの高級な味わい-「Mimala」
ソウル清潭洞のMimalaではベルギーのチョコレートの名家「De Cacaoboom」から輸入したチョコレートを使った「フローズン・ホットチョコグラニタ」(1万5000ウォン)と「チョコレートアイスサンデー」(1万6000ウォン)が夏の自慢メニュー。凍らせたチョコレートの原液を注文が入ってから削り、ガラスの器に入れてハーゲンダッツのバニラアイスを乗せる。カカオ52%以上の高級ブラックチョコレートを使っているため甘くなく、カカオの香りとバニラアイスが絶妙なハーモニーを奏でる。サンデーは普通のカキ氷にチョコレートの原液をかけ、チーズケーキとアイスクリーム、生クリームを添えたもの。チョコレートの香りはグラニタよりも弱いが、食べ応えはこっちが上。Mimalaは米国の原住民語で円、集まり、団体などを意味するという。店内から眺める景色が美しいのも魅力のひとつだ。(02)511-4926